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2015年07月25日13:09

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詩『恋慕賛歌』

例えば存在の輪郭さえ消し去ってしまうような闇の中

一人なら耐えきれないとさえ思える孤独にも似た黒でさえ貴方と一緒ならば光の園

心地よく溶け合うように握りしめた見えない指先がよりハッキリと形をなぞらせてくれる

貴方を純粋に愛しく思える。

まるで溶け合うスープのよう。



例えば全てを祝福しているような太陽の下

陽光が草花達を朝露と共に輝かせていたとしても

貴方と一緒ではないのなら

閃光の悪意に包まれて心は枯れ果て

ギラギラとした光が刺突するように心に刺さり続ける。

それでも倒れ伏すことも出来ずにザクザクと削られていくでしょう

私の形がわかりますか? あなたの形はわかります。

ただあなたが見えている私があなたと同じなのか?

それを確かめずにはいられません。

グズグズと溶け行く鍋の中のよう

私とあなたはどこでしょう?



例えば誓いは破られ。 繋いだ手を離すべきときが来たとして

水から酸素が分離されるように別離する日が来ても

私の中にはあなたがいます。

あの熱く心地よい世界で、私とあなたが共にいた日々の中で。

溶け合った二人の残滓はいつまでも私に残りつづけるでしょう。

愛と悲しみは混ざりあいながら。

願わくばその日が来ないことを。

ですがそうしてもあなたも同じように私の欠片をどうか留めて欲しいのです。

心という器の中で。


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