スペイン旅行記（１３）カルモナ（１）

カルモナはセビリアから車で30分ほど。小高い丘の街で、そのてっぺんにお城があってパラドールになっています。カルモナに着いたときはすっかり日が暮れていました。アンダルシアは暖かいとはいえ、緯度は高いし11月ともなれば日が暮れるのは早いです。
バスは街に入ってお城に向かって登って行きます。古い街並みに細い小路で、観光バスが走るのは無理があるんじゃないかと思うぐらい。でも車もよく通ります。道が狭くてすれ違うことができないので、角ごとに止まってはやり過ごし…。

そうしてやっとカルモナのパラドールに着きました。
本当にお城です。すばらしい〜。
いかめしい城門の内側は多少くずれてるところがあったりしてそこがまたたまりません。城門を入った所は中庭のようになっていて車が止まっています。その向こうには建物の入口、つまりホテルになります。入口の上には獅子と城の印が。やはりドン・ペドロのお城なんですねー。
フロントはあまり広くありませんが、その奥のホールがいかにもお城！で素晴らしいです。ここでいう「お城」とは、宮殿のようなものではなくて、石を積んで作られた中世の城塞のようなものです。中世のお城が私の好物なのです。がっしりとした石積み、高い天井。壁にはドン・ペドロの時代の武器のレプリカが飾られています。ああ、すばらしい。そしてホールの外はイスラム風のパティオです。中央に噴水があります。
ホールの向こうはテラスになっています。見晴らしがよさそうですがなにしろ日が暮れて真っ暗。翌朝に期待することにします。
客室の廊下を進んでいきますと、アーチの通路があってその上にはこれまた獅子と城の印。廊下の壁は白く塗られて、彩色のタイルで装飾されています。

そして客室は、まずドアががっしりとした木のドアで、イスラムの八角の星が刻まれています。部屋は古めかしい趣がありながら清潔で快適です。クロゼットのドアも八角の星。そして窓には木のドアが閉められていて、開けてみますとさらに透かし彫りのドアが。すてき〜。ベッドも木彫りで雰囲気たっぷり。バスルームはとってもきれいです。トイレも独立しています。装飾タイルがあります。ああ、本当にすばらしい、本当に来てよかったぁぁぁ〜〜〜！

カルモナの城はもとはイスラム時代の要塞ですが、ドン・ペドロが改修しました。セビリアから少し離れていることで、愛するマリア・デ・パデリアと安らぎの時間を過ごすために作り直したとも言われます。中世の要塞にイスラム風の優雅なパティオや装飾が混在しているところに、ドン・ペドロの趣味を感じさせます。
しかし、やがてこの城は見捨てられ荒廃しました。近年になって修復が行われて元の城の姿を復元してパラドールになったのです。パラドールとして使われているのはまだ一部分で、他の部分は発掘中。

夕食はホテルのレストランで。
フォーマル、とまではいかなくても、ジーンズにスニーカーのようなくだけた服装ではなくてきちんとした服装で…という指定がありましたので、しわにならないジャケットとシフォンの細いプリーツスカートを持って行っていました。
レストランは…やはり中世のお城の広間と言う感じです。こんな所でお食事ができるなんてすてき〜。…ひたすら舞い上がりっぱなし。
ただ、メインディッシュが魚だったので、魚が苦手な私にはいまいち…。その代りこの日の夕食のウリはデザートビュッフェです。小さなとりどりのケーキが並び、どれもこれも目移りします。

しかし、私もみんなもすっかりぐったり疲れています。なにしろ2日分の日程を1日でこなしたんですから。マドリードなんてもう遠い世界のようです。今朝までマドリードにいたなんて信じられません。
本当の日程ならコルドバからここに直行で、明るいうちに来ることができたはずです。それなら街の散策もできたかも…と思ったのですが、逆に翌日の朝は余裕があるということです。本当なら翌日のはずのセビリア観光を済ませてしまったので、朝はゆっくり出発するのです。街の散策をしたい人は明日の朝自由にどうぞ、ということで、英語のイラストマップのコピーが配られました。じゃあ、明日の朝は街の散策だ！
ただ、翌日行く予定のアルハンブラ宮殿は、予約が厳しくて時間通りに行かないと入れてもらえない可能性があるので、集合時間だけは守らなくてはいけません。

食事が終わったら、それほど時間は遅くはないのですが、なにしろ疲れているので、スーツケースから必要なものだけ引っ張り出してお風呂に入って即寝ました。本当に「バタッ！」という感じで。

写真は翌朝撮影した城門、ホール、パティオです。

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