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2012年12月16日01:19

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スペイン旅行記(11)セビリア(3)

さて、いよいよ私の第一目的、アルカサルです。

ここは現役の宮殿なのです。国王の別邸と言うか、セビリアに来たら滞在する所。ムデハル様式の最高傑作です。
中世らしいがっしりした城門(写真)を通って入って行きますと、両側に植込みのある道になっていて、そこを進んでいきますと…お城の正面です。(写真)これは青池保子の「アルカサル」のクライマックス、ドン・ペドロがようやく完成した王城を、息子を抱いて誇らしげに見せる場面!

その上部には

最も高位の
最も高貴な
最も強力で最大の征服者
神の恩寵により
カスティリアとレオンの王ドン・ペドロが
この宮殿を完成させた

と書いてあるのです。
これが見られるなんて、本当に来てよかったーとウットリ。

そして王城の中に入ります。入口は隅の方で、狭い通路になっています。壁には彩色のタイルがイスラム風の細かい模様を作っています。狭い暗い通路を抜けて明るい所へ出る…という工夫がされているのです。
そこは「人形のパティオ」です。イスラムの宮殿に来たようです。2階部分を見上げますと、窓が透かし彫りになっています。イスラムでは女性は2階部分に居て、下を見ることはできますが、下から見上げてる人からは顔が見えないようにするための工夫です。キリスト教徒が建てた宮殿ですから、そんな配慮はいらないのですが、イスラム風の建物を真似したらこうなったのです。しかし、細かな植物模様の浮彫の中に小さな顔が彫られています。一応「イスラムじゃないよ」という印になっています。

そこからメインの「大使の間」に通じています。(写真)。ここは実にきらびやかで豪華な部屋です。ヨーロッパの豪華な宮殿とは全く違って、本当にイスラムの宮殿のようです。アルカサルを作るにあたって、ドン・ペドロはイスラムの職人の技術の高さを評価して連れてきましたが、アルハンブラ宮殿を作った職人もいたそうです。そのためアルカサルはアルハンブラ宮殿を思わせるような装飾に飾られることになり、「アルハンブラの妹」とも呼ばれるのです。
しかも、アルハンブラが長年放置されたあと大掛かりな修復が行われたのに対して、アルカサルは長らく宮殿として使われてきたこともあって、当初の状態がかなり保たれているということです。確かに、アルハンブラ宮殿は写真や映像を見てもそれほど彩色のあるイメージはありませんが、この「大使の間」は金色をベースにしていてとても色鮮やかです。
そして鮮やかなアラベスク模様の壁をよく見ますと、城(カスティリア)と獅子(レオン)の紋章がまぎれています。
ああ、すばらしい。本当に来てよかったーー!!アルカサル入場ツアーにこだわってよかったあーー!!!

後にハプスブルク家の最初のスペイン王になったカール5世(スペイン王としてはカルロス1世)は、この大使の間で結婚の披露宴を行いました。その後カール5世は花嫁と共にコルドバへ赴くのですが、メスキータに作らせた聖堂を見て「しまった」と後悔するのです。

大使の間はさらに「乙女のパティオ」に通じています。そちらへの出入り口にはごつい木の扉がついています。現在はあけっ放しでガラスで覆われています。創建当初の浮彫模様が彩色と共に残っているのです。うう、すばらしい。ドン・ペドロが触れたかも…。
乙女のパティオは中央部分に池のあるパティオで、周囲はやはり繊細なイスラム模様の建物に囲まれています。

アルカサルは庭園も広大です。庭園を案内されると、孔雀が数羽歩いています。これは野良孔雀だそうです。別に飼ってるんじゃなくて、外から勝手に飛んでくるのです。
庭を見て回って外へ出ました。

こんな素晴らしい王宮なのに、日本のツアーではあまり入場観光しないなんてもったいない。
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