mixiユーザー(id:1362523)

2012年12月10日01:08

160 view

スペイン旅行記番外編・建築様式

プラテレスコ様式について調べました。
そもそも「金細工様式」なんて訳すからわけがわからなくなったんで。金細工独特の模様なんてどんなのかよくわからない…と思ってしまったのです。

つまり、スペインではキリスト教のレコンキスタが進んでも、イスラムの建築や装飾様式はムデハル様式などとして残っていきました。レコンキスタの完了はほぼルネサンスと重なります。他のヨーロッパ地域ではイタリアを中心にルネサンス文化が興りました。ルネサンスとはギリシア・ローマの古典古代の文化を復興させようというもの。つまり建築としては幾何学的で端正な、そして重厚な建物になります。
しかしスペインでは端正で重厚な建物を建てる代わりにイスラム由来の華麗な装飾を建物にくっつける伝統が出来上がっていました。そのためか、スペインにはルネサンスはなかったとさえ言われます。ま、中世にイスラムの高度な文化が栄えていたイベリア半島には、ルネサンスつまり文芸「復興」など必要なかったんじゃないかと思います。

それで、建物に細密な唐草模様や曲線模様などが踊る、ルネサンスとは相容れない装飾模様が金細工工芸のようだ…ということで「プラテレスコ」と呼ばれるようになったらしいです。つまり「金細工を模した模様」ではなくて、出来上がった模様が金細工を髣髴させるため「プラテレスコ」と呼ばれるようになった、というのが正しいようです。

写真はコルドバのメスキータの聖堂のプラテレスコ様式のアーチ。

さらに、バロック時代には「チュリゲラ様式」という様式が現れます。こちらはプラテレスコよりもさらにゴテゴテゴチャゴチャの装飾です。「チュリゲラ」というのはこの細工を作った人の名前です。サンチャゴ・デ・コンポステーラの聖堂がチュリゲラ様式だそうです。

ついでに、馬蹄形アーチについて。
馬蹄形アーチはマグレブ圏すなわち北アフリカからイベリア半島にかけてイスラム建築に見られる変わり型アーチです。コルドバのメスキータも馬蹄形アーチです。私はこれは北アフリカからイベリア半島に持ち込まれたものだと思っていました。そうしたら、馬蹄形アーチの原型は西ゴートの建築に見られるということです。それがイベリア半島にやってきたイスラム教徒が取り入れて発展させ、さらに逆流して北アフリカに及んだ…らしいです。
5 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2012年12月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031