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2012年12月04日01:04

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スペイン旅行記(4)トレド(1)

トレドへは添乗員さんは同行せず、別のガイドさんがバスに同乗します。バスの中でトレドのことをいろいろお話してくれました。

トレドは「古都」と言われます。マドリードがフェリペ2世以後に首都になったのに対して、トレドは紀元前にさかのぼる古い街なのです。ローマ帝国の支配を受けたのち、ゲルマン人の侵入を受け、その中の西ゴート王国の都になります。西ゴートはイスラム帝国に滅ぼされますが、トレドはキリスト教徒たちのレコンキスタ(国土回復運動)によって比較的早い時期に奪回されます。
トレドはスペインにある12の大司教区の首位を占めます。スペイン・カトリックの重要な拠点です。

トレドの街が見えてきました。タホ川に抱かれるように囲まれた古い町に、橋が架かっているのが見えます。いくつか橋が架かっているのを見ながらバスは進みます。そうしていったんそれて、上の方に上がって行きます。
バスが止まった所は展望台でした。トレドの街が一望できます。絵に描いたような中世の街にウットリ。
写真タイムのあと、再びバスに乗ります。このあたりの高台は昔の貴族の別荘がたくさん建てられたそうですが、今はホテルやレストランになっているということです。

街の入口に降りてきて、ここから徒歩観光になります。まず目の前にエスカレーター。上がったらまたその先にエスカレーター。その先にもエスカレーター。上がり切ったら中世の街が目の前に現れました。細い路地に古い家並み。ここを、ガイドさんを先頭にみんなゾロゾロついて行きます。時代をさかのぼったような街並みに私は内心コーフンしきり。すてき〜、ウットリ。本当にヨーロッパの古い街だあ〜。
そうすると、細い路地の両側の家の隙間から、高い塔が見えてきました。トレド大聖堂です。

トレド大聖堂は大司教区の置かれている聖堂です。ものすごく大きいです。ぐるっと回って、入口の前まで来ましたが、その前にあるお土産屋さんでトイレ休憩。お土産もトイレも一般観光客には必要。
私はお店の中を見て回りましたが、そこに目を引くものが。CDですが、ジャケットがなんとなく中世ぽい。近寄ってみますとやはり中世音楽のCDのようです。いくつか見てみますと、西ゴートとモサラベの聖歌がありました。しかも演奏はパニアグア。即買い!です。
また、各国語のトレドのガイドブックもありました。日本語版があったら欲しいと思いましたが見当たりません。そうこうするうち全員そろって大聖堂に入ることに。

大聖堂の中に入りますと…本当に広い!一体自分がどこを向いているのかわかりません。ゴシック式の聖堂の形式はだいたいわかるはずなんですが、見渡してもどっちがどっちやら…と思っていると、隅の方に案内されました。小さな入口があります。宝物のある部屋だそうですが、部屋が狭くて、先客があるので、出てくるまで入口で待機。その間に入口の装飾の説明をしてくれました。プラテレスコ様式と言うんだそうですが…プラテレスコって何?一応出発前に見た本では、ルネサンス時代のスペインの装飾様式だとか…と言われても、目の前の装飾を見ても特徴がいまいちつかめません。
そうするうちに、中から人がゾロゾロ出てきました。西洋人です。そういえば、トレドの街を歩いていると、観光客、それも団体客があちこちにいましたが、西洋人が多かったです。
入れ替わりに私たちが入ります。まず天井を見てくださいと言われました。そうしたら、華麗なイスラム風の鍾乳石模様のような天井です。ムデハル様式なんでしょうね。
ここで一番目立つのは、キンキラキンの大きな聖体顕示台です。まぶしい…。新大陸の黄金で作られたとか。聖体祭りに担いで街を練り歩くとか…それってお神輿?
それからイサベラ女王のものだと言われる王冠、金箔の聖書、とにかく豪華でキンキラキン。

宝物庫を出て聖堂本体に進みます。
ゴシックの聖堂は十字架型の平面をしていて、十字架の縦長部分の中央に身廊があり、その奥が祭壇になります。そして身廊の脇に側廊を作ります。この聖堂は身廊部分の中央に大きな聖歌隊席が設けられ、それにさえぎられて祭壇まで見渡すことができなかったので、方向がわからなかったのです。
聖歌隊席は、身廊に平行に向かい合わせになって上下二段に座席が作られます。クルミ材でできています。その上部に細かい彫刻が施されています。全て聖書を題材にしたものです。さらにそのずっと上部には、パイプオルガンが設置されています。パイプの一部が水平に飛び出して並んでいます。これはスペインのパイプオルガンの特徴です。

聖歌隊席の向こうには座席を挟んで祭壇があります。キンキラキンに装飾された柵があって、その向こうに上から下までびっしり細かい彩色の彫刻によって聖書の場面が表されています。余りの豪華さにクラクラ…。
この大祭壇の裏側には巨大な聖櫃が安置されているのですが、18世紀になってその聖櫃を照らすために聖堂の壁にに穴をあけて光が入るように考案した人がいました。大祭壇の裏側に回ってその穴を見に行きます。そうしたら、裏の壁の天井近くにバロック風のおおげさポーズの群像の彫刻があって、その上から光が差し込んでいました。光に照らされておののく人たちが見事に表されています。そしてその光は聖櫃のある方へ伸びていくのです。
そこから横の方に回ると聖具室があります。もともとはミサに使われる聖職者の衣装や道具を納める部屋ですが、美術品を展示する部屋にもなっています。部屋の一番奥の目立つところに、エル・グレコの「聖衣剥奪」があります。キリストの赤い衣装が印象的で、キリストは俗世から乖離しているように中空を見つめています。天井にもいっぱいにフレスコ画が描かれています。聖母が天から現れて聖イルデフォンソに衣装を投げかけており、バロック風のドラマチックなおおげさポーズで驚く人々が群がったり天使たちが浮いたりしています。
そのほかエル・グレコの「悔悛の聖ペテロ」とか、ティツィアーノとかゴヤとか…。

すっかり「見たー」という気分になり、大聖堂を出ます。出入り口は側廊の脇の部分で、そこから正面入り口に回ります。正面入り口はこれまた豪華なゴシック彫刻ですが、その手前に柵があってぴったり閉じられています。この正面入り口は教皇、大司教、国王が通るときにだけ開かれるのです。
この前は小さな広場になっていて、本を何冊か抱えたおじさんがあやしげな日本語で私たちに話しかけてきました。見ますと、トレドの日本語版ガイドブックです。買った人には「エハガキ、オマケ」。さらに「フクロ、フクロ」と言って白いレジ袋もくれます。ガイドブックは欲しかったので即買い。皆次々に買っていき、あっという間に完売でした。

道が狭いので大聖堂は全景が撮れません。
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