ヴァインベルクの曲は、そこそこの数のCDは出ているし、実際聴いてみると良い作品が多いと思うが、なぜか非常にマイナーらしい。(三省堂『クラシック音楽作品名辞典』にも名前が載っていない。)
ちなみに、私の持っているヴァインベルクのCDは17枚目となった。
(他のCDも今後時々紹介する予定。)
M.ヴァインベルク:
・交響曲第1番 作品10 (1942)
・交響曲第7番 作品81 (1964)
T.Svedlund指揮イェーテボリ交響楽団 (2008/2009録音) (CHANDOS)
交響曲第1番は、すでに、A.ティトフ指揮サンクト・ペテルブルク交響楽団の演奏によるCDを持っており、これが2枚目となる。
2010年1月4日の日記でも交響曲第1番のことを書いたが、もう一度書くと、ポーランドで迫害を受けて命からがらソ連に亡命したヴァインベルクが23歳の時に作曲した作品だが、そういう事情から想像されるような暗い曲ではなく、明るく楽しげな曲である。
第4楽章では、「ショスタコ5番か?」 というような部分もあって、親交のあったショスタコーヴィチの影響を受けていることが明確に分かる曲である。
以前、「ヴァインベルクは自らの深い悲しみを忘れるために、敢えて明るい溌剌とした曲を書いたのかも知れない」と書いたが、Svedlundの演奏もそれをよく表していると思う。
交響曲第7番は、今回初めて聴く。5楽章構成の曲である。
弦楽合奏とハープシコードによる曲であるが、まずハープシコードによるソロ演奏から始まる。
この冒頭のハープシコード独奏からして、すっかり引き込まれてしまう。
こんなにも美しくも切ないハープシコードがあったなんて!
やがて弦楽合奏が絡むが、これまた感傷的な旋律を奏でる。
第1楽章の最初の数分間ですっかり魅せられてしまう。
ハープシコード独奏と弦楽合奏の絶妙な絡み合いが良い。
時々弦楽合奏が盛り上がりを見せるが、ハープシコードが絡んで全体的にしっとりとした曲という印象である。
第5楽章はちょっと賑やかな部分があるけれど、最後は静かに締め括る。
このCDも◎である。
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