ある日の夕方のこと。
路面電車を降りてうっすらと積もった雪の上を家へと急いだ。幾つか路地を曲がって、急ぎ足を少し緩めながら、大きくふーっと息を整えた。
ちょうどそのとき、向こうから駆けて来た女性と目が合った。その子は知り合いでもないのに、軽く挨拶をするような素振りでうつむいて過ぎていった。その子の足跡は、私のいるマンションから始まっていた。
それから幾日過ぎたかは覚えが無いが、朝、早く部屋を出て階段を駆け下りて、いつもの路地を走り出したら、うしろからやってくるコツコツという足音があった。あら、この前すれ違ったあの子じゃないか。そう思ったら、駆け足で追い越していった。
--- おはようございます。
(今、挨拶してくれたの?)
ボクも跳びはねて駆け出して、同じ電車の閉まりかけのドアに滑り込んだ。
--- はじめまして。
出会いなんてのは、そんなものよ。
_/ _/ _/ _/
GREEの足跡帖には
こう書いた日記(2007年1月1日付)を使っています。
フィクションですよ。
このマンションには娘が住んでいますが、春になったら自宅から電車通学に切り替えます。
27年前、私たち夫婦が出会ったマンションです。
(結婚25周年、どっかに連れて行ってと、喧しいの…)
ログインしてコメントを確認・投稿する