Yちゃんという子に出した長い長い手紙が電子ファイルの中から発掘された。(目的外)
その手紙からほんの一部分だけ。
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中島みゆきの詩集の冒頭に
「元気でいますか。あなたに手紙を書くのは初めてですね。街のどこかで会ったかも知れないのに言葉をかけずに来てしまったあなたへ。」
という始まりがあります。
今日は貴方に、手紙を書きました。
(・・・・)
<海を見に行った午後>
住宅街の中へと道が迷い込んでいく。この向こうはもう海のはずだけど、と私はひとりごとを呟く。潮の香りがふっと車の中にまで届いてきた。よし、と思って細い道に車を入れて突き進んだらやがて堤防が現れた。
「わあ、潮の匂いがするわ、久しぶりやなあ、」
「最近、珍しいな、懐かしいなあ」
Y子は車から飛び出し堤防を駆け降り波打ち際まで、先に行ってしまった。しばらくじっと遠くを見つめていた。思いついたように少し戻って堤防の階段に座りこんだ。潮風が私に吹きつける。Y子は何を考えているのだろうか。
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話したいことは山ほどあるけど、言葉になって出てこない。お母さんが亡くなって一ヶ月が過ぎたのをさっき聞いた。少しだけなら時間があるというので、じゃあ三十分ということで海まで誘った。
「いつまでもプー、しているわけにもいかないでしょう、早く自立しなさいなってことや…」
「あれは渥美半島かな…。」
「学校の音楽室からの方がよう見える…今日は少し霞んでいるけど…」
時間など忘れて、他愛ない話が続いた。波打ち際に青い海草が浮いている。車に戻るとサントリー・ウェイティングバーからジャズのトロンボーンが流れていた。
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参考
http://motoka.exblog.jp/
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