mixiユーザー(id:20808806)

2025年07月27日22:42

285 view

「劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来」を見て。〜ついに底知れぬ深みで魅せる最終局面の地<無限城>へ。キャラクターと見る者総ての胸の内をたぎらせる〜

本編公開直前にも、地上波で「復習」放映もされておりましたが。それを追わずともスッカリ整った配信ポータルとかで触れる事も出来る状況にありますが。それでも、この物語を関知されてない方には、封切時の上映スクリーン占拠をさぞや苦々しくお思いの事と察します。かく云う私も、違う関わりない作品で同様な事が起きたら、その心中だったかも。

そして、アニメーション化作品を追っている皆様におかれましては、最終局面の舞台を迎え、まことにご同慶に存じます。

以前にもストーリーの節目の際に、鬼の巣窟である「無限城」の内部描写をチラリと目にしてまいりましたが。いよいよ鬼殺隊と鬼どもの雌雄を決する段で、ついにその全容がスクリーンで露わとなって。それがもう、魑魅魍魎の生息に相応しい底無しの闇の中、上下前後に向って生物のように、回廊や床、畳、障子をはめ込んだ壁、建物の梁だとか蠢きながら「建て増し」されて行く中、地上から引き込まれた鬼殺隊の面々は得体のしれない迷宮へ落ちてゆく。

長い事、それこそ手描きのセル画から見て来た世代としては、乱れの無い作画で落下からの各キャラクターの着地までの「運動」の表現の没入感には、技術革新に思いを馳せると同時にそれに携わる製作関係者の熱意と表現への飽くなき追及に敬服いたします。

鬼殺隊と鬼の上級者同士のぶつかり合いなので、これまでも驚嘆させられて来た剣技や血鬼術のエフェクト表現に、キャラクターのアップやと引きの画の切り替えに、前後左右自在な動を取り入れて、スピードとリズムを重視したカット繋ぎ。特に、前回の劇場版で、主人公炭治郎の良き理解者であった炎柱・煉獄さんの仇として悪名を上げた猗窩座とのリターンマッチが本作の売りとなってますが、その場面に至ると正に「華」として引き立てる。

挑むにあたって炭治郎は、彼の家族が襲われて鬼に化した妹禰󠄀豆子を殺さないように嘆願した水柱・富岡さんとのタッグとなる。前章の柱稽古編で、富岡さんの過去における「気後れや後ろめたさ」について炭治郎からのアプローチでの氷解を経て、師弟の絆が深まったところでの倒すべき鬼との邂逅即開戦だから、テンションが上がらない訳がない。

「鬼滅の刃」の良いところは、単なる勧善懲悪でも、バトルものでも無く。主人公に限らず、相手を認める事、理解する事、気付かされる事を尊重していて。勿論、不可解な異形の存在に肉親の命を奪われる恨みや怨嗟もあって。サブタイトルの戦い以外にも、姉の仇を取ろうと手を尽くすも、人の「情」には背を向けた無慈悲な存在に押やられれば、ヘタレで和ませたコメディリリーフ的存在が、いよいよ自覚をもって恩師に応える雄姿を披露する見せ場もあったりしますが。

やはり、自身を庇った煉獄さんの最後の時は、何も出来なかった炭治郎が、鬼殺隊に成り立ての頃は助けられる一方だった富岡さんと共に、互角に猗窩座と渡り合う姿には、長い事シリーズを追って来た観客としては、富岡さんはもとより敵ながら猗窩座からも一目置かれて、長い事見て来た感慨も沸いてまいります。

声優さんも、強力原作の強みで、多くの実力者が集まっておりますが。デビュー当初を知る早見沙織さんと、宮野真守さんとの憎々し気で哀しい対峙も良かったですし。丁寧な製作で時間が掛かった分、富岡さんが櫻井孝宏さんから、変わらずに済んだのも改めて安堵しました。

映像化は、原作を損ねる事無く忠実に進められているお陰で、今回の3部作構成となって。製作陣の苦闘を考えると、最後まで無事に乗り越えて頂きたいと願いつつも。一本の映像として完成度が高いのですが、原作の持ち味である、鬼が「闇落ち」した事情回想もキッチリと描かれるのですけれど。それが、血肉沸き上がった対戦の描写後なので、個人的には、良い話ではあるのだけれど、その興奮を冷ましてしまう感じが否めなくて。テレビシリーズの様に、放送回の区切りとか入るのなら別ですけれど、「通し」で見る場合は、折角の芸術的な表現に冷や水を掛けてしまって勿体なかったかなと。それでも、もう一回は、スクリーンで見直して、第二幕を待つまでの「反すう」の為メモリーしたいです。

拙文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
シネマサンシャインららぽーと沼津 シネマ6(DTS-X)にて

7 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年07月>
日 月 火 水 木 金 土
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031