mixiユーザー(id:20808806)

2025年06月08日23:39

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か「」く「」し「」ご「」と「  を見て。〜胸に秘めるやるせなさと相手への思いやりでセカイは出来ている。〜

この映画を見る直前にも、アオハルものの邦画予告を幾つも流し込まれた。デビュー作の「MOTHER マザー」、去年の黒沢清監督作「Cloud クラウド」そして今年初めのドラマ「御上先生」での奥平大兼クンへの馴染みとアテにしている批評家の評判をツテに出かけましたが、高校生男女5人を据えるとこから、絶えず供給される10代の恋愛事情を描く作品と思われても仕方が無いところではある。

住野よる氏の同名小説の映像化である本編は、高校3年生の数カ月間の学生生活に即して、クラスメイトの5人が係わり合う過程にあって、如何に対人関係を築いて行くところにドラマが派生するのだが。当然、そこには「気になる存在」へのアプローチの問題があって。
我が心のまま他者を省みず行動出来るヒトには、苛立ちしか覚えないであろう。

本作の登場人物は、相手の気持ちが判る故にそれを踏まえた言動で傷つけ、クラスメイトとして平穏な日常を壊したくないので、付かず離れずの距離間を維持している。当初は、SF的な話かと概観を持っていたのだけれど。見ていると、5人それぞれが主体となる「章」仕立てとなっていて、それぞれが、周囲の人たちの「気持ちが判る」として、主観が画面上時折記号的に画面上に表記され(この吹き出し的CG表現には、「抵抗」薄れるのに暫く掛かりましたけど)、自身の主観のモノローグが加わる。ようは特殊能力とかではなく、思春期に特に強くなる感受性なのでありました。

学園祭でのクラス受け持ちの演劇の準備から本番を経て、学校の代々伝わる「ジンクス」を絡めた修学旅行の顛末から、受験を控えての図書室の自習場面では、喋りが慎まれる状況下、筆談と表情で静寂の中「心の動揺」を見せて。手垢にまみれた学校生活トピックでありますが、5人の関係性を浮かび上がらせる。そして垣間見えるのは、その相手にとっての最良のため自身の想いを追いやるだとか、自分の立場的に口外出来ない苦しさだとか、各自の「かくしごと」である。

なにより、思春期ならではの切なさ、純粋さを知らしめるのだけれど。いい歳をした観客には、自身のその頃の体験を振り返ると同時に、オトナになった今でも、「判っていても言えない」として思いとどまる事で関係性を保っているのに思い当たる「普遍性」も備えている。登場人物と同じ年代に留まらず、見た人に示唆を与えてくれるうえに巧い構成もあって、表装だけでティーン向けと見做すのは勿体ないかな。

演者では、演劇祭のエピソードから5人の中でキーパーソンとして存在を強める黒田文役の菊池日菜子さんが良かったです。本作が私にとって初お目見えとなった監督の中川駿さんも、今後気に留めていきたい。過去作のうち、「カランコエの花」は、40分の中編ながら学校生活の中、「ひと言」を機に、それまで表に出なかった問題が表面化し変容する関係性を本作でみせた構成の巧みさでみせているらしく興味を引きました。

拙文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
シネプラザサントムーン シアター��にて

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