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2021年12月19日07:24

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風林火山伝 第75話 信長 京へ進軍

使いは信玄に「わが主君 久秀は宇治平等院にて、信長のすきをつき、信長に大けがを
負わせ、信長を裏切り、京を目指しております。京にて御屋形様の軍に合流し、ぜひとも
お味方したいとのことでございます。」

「それで信長のけがの様子はどうじゃ。信長は久秀の偽の平蜘蛛の窯の爆発のまきぞいに
 あい、大火傷を負いましたが、残念ながら命はとりとめた模様です。」

「久秀もなかなかやるのう。しかし、一つ気がかりなことは、なぜ本能寺にて公方様を人質にしたのか理解できない。」

「それはわが主君 久秀がその経緯については御屋形様にじかにお会いしてご説明したいとのことでございました。」

「あい、分かった。京にて久秀と対面を楽しみにしておる。使いご苦労であった。」と
信玄は言った。

翌、3月7日、武田、朝倉、浅井連合軍は星ヶ崎城を出発し、坂本城に向かったのであった。一方、先発隊の馬場信春、真田信綱、小山田信繁率いる約6千の兵は瀬田川を渡り、
大津付近まで兵を進めていた。

そして、織田信長は、大火傷のせいで、馬に乗ることができなかった。そして、信長は輿にのり、さらには頭の包帯の上に頭巾を着ていた。そして、織田軍は宇治川を渡り、桃山付近まで来て、軍を休めた。

「もうすぐ、京の都であるな。京の都は、元亀2年(1571年)9月の比叡山焼き討ちのあと、将軍 足利義昭に焼き討ちの報告をして以来、約1年半ぶりであるな。あれ以来、
義昭と書状のやり取りをしたものの一度も会っていない。なんとかこたび、信玄に勝利し、
義昭が命乞いする姿をみたいものじゃ。」と信長は言った。

「こたびの信玄との決戦楽しみでござる。使いの知らせによれば武田本隊は、すでに栗東付近まで軍を進めていようでございます。なんとしても、この権六が信玄を討ち取ってみせます。」と柴田勝家が言った。

「権六、頼りしておるぞ! それで、今の京の様子はどうじゃ。」
「すでに明智光秀の護衛隊5千が義昭の二条御所を警護しております。義昭は本能寺で久秀の人質となりましたが、光秀の救出により二条御所に戻っているようにございます。
 それにしても久秀はもともと義昭を殺すつもりはなく、わが軍を攪乱するための芝居だったと今になってはそうしか思えません。」と滝川一益が言った。

「光秀め、せっかく坂本城を与えたにもかかわらず、わしを裏切り、武田に寝返るとは。
恩知らずよ。あやつも見つけたらただではおかん。京でさらし首の上、木ののこぎりでじわじわと首を斬り、地獄に落としてやる!」

桃山付近は敵の様子もなく、穏やかであったが、北の方から約5千の兵が織田軍に向かって突進してきたのであった。

                                   つづく

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