mixiユーザー(id:547825)

2021年08月15日20:46

464 view

「流浪の月」「あのこは貴族」

フォト

幼女誘拐犯とその被害者の、誰にも理解されない、その後の心の結びつき。
世間的にはロリコン変態青年である文と、誘拐された可哀そうな少女である更紗。
しかし母親に捨てられ、引き取られた親戚宅の息子から性的虐待を受けていた更紗にとって文は、押しつぶされそうになっていた自分を救ってくれた、優しいお兄ちゃんに他ならなかった。
少女漫画のような設定で作者が敢えて書きたかったのは、更紗という女性が自分の場所を取り戻すまでの魂の成長物語だったのかな。
世間から好奇の目を浴びることに慣れ過ぎ、作り笑いしながら自分をごまかして生きてきた更紗が、文の前ではとても自然でいられるところ、教育熱心な母親に型に嵌められるようにして育てられた文もまたそうであるところが微笑ましかった。
誰にでも、その人の前では本当の自分を出せる、そういう相手がいるんだよね。

「流浪の月」 https://tinyurl.com/dasxt48

フォト

東京の上流家庭、金持ちの家の末っ子として生まれ、皆から可愛がられて育った華子。
地方の漁師の娘として生まれ、猛勉強して慶応大学に入ったものの、金欠で夜のバイトが忙しくなり中退してしまった美紀。
華子が何度もの見合いの末にようやく見つけた理想の結婚相手、資産家の息子の幸一郎は、実は美紀を愛人にしていた…
これも少女漫画かと思って読み進めましたが、二人の女性の価値観、人生観があまりにも違って面白い。
幸一郎の描き方がステレオタイプ過ぎるのと、一人の男を巡る二人の女のバトルが綺麗ごと過ぎる嫌いがありましたが。
それでも、苦労知らずに育った華子が最後に選んだ道は、すがすがしいものでした。

「あの子は貴族」 https://tinyurl.com/ntm66jmr


この2冊の共通点は、どちらも映画化されたたこと。
「流浪の月」は佐藤健、広瀬すず主演で来年公開、「あのこは貴族」は門脇麦、水原希子主演でこの春公開。
後者は見損なってしまったので、DVDを待ちます。

27 30

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年08月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031