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2018年12月19日03:53

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詩『嗚咽に励む愚かさよ』


ああただ死なずに生きてきただけ

歩く足取りは行方も知らず

誰かに言われて東へ西への堂々巡り

それで得たものなんてなにもありゃしない

皮肉に上手くなる口元だけで、頬張った何かは腹の中に溜まりつづける。

痛くもなく、辛くもなく、きっと腹を裂けども掴むこともできない。

ただその重さに喘ぐ。

その重さが辛い。

その重さを抱え引きずり生きるしかない。


ああ早く取り除かなければと思うのだけど

それはやはり幻のようにおぼろげで掴みようもなく、鉄塊のように確実に重く重く。

ヘソの下、ズシリと鎮座するそれに振り回されて疲れ果てて、今日も背徳を吸って吐く

ヒヤリと怜悧なそれに震えてしまうから飲んで微睡んで蝕まれる全てが、感情ゼロの言葉を垂れ流す。

七転八倒、足掻けばそれは気まぐれにカケラを生む。

それを磨いて飾り付けて吐き出す。

胃を通り、食道を通り、喉元から吐き出す

その僅かな時間にこそ幸福を思う。

その僅かな時間の間にだけ生きていることを知る

その僅かな時間だけしか生きていない

生きてるのか死んでるのかわかりゃしない

ただただぼんやりと進む次が来るまでの臨死体験

次が来てくれるまではあとどれくらい?

早く来てくれなけりゃ、蝕まれ、溺れて、腐り果てるだけ

死と生を逆転させた人間が一人這いつくばって嗚咽に励む

この愚かさよ

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