なんとも凄い作品です。
ゴッホが描いたあの有名な油彩画の風景がそのまま映画のシーンになり、
彼が描いた肖像画の人物たちがアニメとなって動き出すのです。
ゴッホについては、耳を切り落とした狂気の画家、
生前にはたった1枚の絵しか売れなかったということ位しか知りませんでした。
どんな人生を送ったのだろう?という好奇心もあって鑑賞。
ストーリーはゴッホの死後、郵便夫の息子がその死の謎に迫るという
サスペンス仕立てなのですが、なんといってもその画面が凄い。
一体どうやって作ったのだろう?と思ったら、映画のHPに制作方法が詳しく出ていました。
まず肖像画の人物に似た俳優たちが同じ衣装を着る。
風景画をもとにしたセットを作って実写撮影、この映像をキャンバスにトレースし、
選ばれた画家たちがゴッホのタッチを再現して油絵に仕上げる。
それを高解像度カメラで撮影し、動く部分を描き直して次のコマを撮影。
こうして撮影された一連の写真をつなげてアニメーションを作ったのだそうです。
1秒当たり12コマで、全部で62450コマ。
日本からも参加された古賀陽子さんのインタビューによると
自作品を添付しての応募、ポーランドでの採用試験、ゴッホタッチのトレーニングを
経てようやく採用され、更に監督からのチェックや変更の繰り返し。
ようやく描き上げた560枚の絵も、動画にすると1分弱だったとか。
気の遠くなるような手間です。
ゴッホが描いた有名な肖像画の人たちは、こんな風に彼の人生に絡んでいたのか。
彼はこんなにも孤独な思いを抱えていたのか。
そして、弟テオに宛てた最後の手紙と星月夜のラストシーンでは、思わず涙が。
東京ではたった二館でしか上映されないことが、なんとも残念です。
公式HP
http://www.gogh-movie.jp/index.php
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