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2016年06月17日11:57
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ラ・ヴィ・アン・ローズ
2013年12月・・・仙台市荒浜に長さにしておよそ１００ｍ、１立方メートル、重さ１ｔのキューブを４段に積んだ壁が出来た。
それらは凡そ３か月で撤去される・・・
それらのキューブを構成する１立方メートル、重さ１ｔのキューブの正体は被災した乗用車・・・
僕はそれを１９５４年製のライカM3にイルフォードのISO４００のフィルムを詰めて焦点距離90mm、開放ｆ２・８のエルマリートの絞りをｆ１１に絞り１/１２５秒のシャッターを切った。
2012年12月の夕方の5時くらいだ。
気温はマイナス1℃くらい。
震災の翌年だったがクリスマスシーズンで、街はイルミネーションに彩られ俄かに活気づいていた。
僕がその時に考えていたのは・・・
街を走っている時はあれだけバリエーションがあると考えていた乗用車はスクラップにしてしまうと、どれもそう変わらない１立方メートル、１ｔのキューブになってしまうという事である。
標準化が慣らす数字の考察は実に面白くて・・・それはコンパスのように数字の軸を固定する即ち、定数化を軸に模様を描く思考の絵画のようなもの・・・
例えば車の値段を１００万円、重さを１ｔとすると・・・実は１００ｇ、１００円。つまりポテトチップスと一緒であるという事だ。
これで街中を颯爽と疾走するポテトチップスの絵が浮かべば、中々芸術的な見たてのセンスがある
ポール・ハードキャッスルに19というただ、「ナナナナインティーン
」というようにただ19を連呼する曲がある。
この19というのはベトナム戦争で戦死した兵士の平均年齢が19歳という事を歌っているんだけど、一つの定数、即ち基軸を設ける事で新しい表現を生み出している。
動きや変化を引き立たせるためには、動かない定点が必要。
生き生きとした表現というのは静止即ち死を孕む。
例えば、街を擦過する人々という体温35℃から37℃の思考する熱源は恐らくは・・・というより確実に死に・・・１０００℃近い火葬場の炉で焼かれ・・・数百グラムの骨となり・・・一坪に満たない墓に埋められる。
死と言う定点、定数から見るとそんな表現も出来る。
言いたいことは大した話ではなくて・・・変数と定数の話だ
つまり、これらのキューブは車だった時代は国道から街路へスーパーマーケットの立体駐車へと・・・様々なスピードで移動し・・・家族を乗せ、恋人を乗せ・・・或いは一人で・・・何人乗せたとか、最大可能乗車人数とは無関係の数値化出来ない想い出を運んだという事・・・ロマンスや夢も生まれたかもしれない。
可能性は未知数・・・なんて手垢に塗れた物言いがある。
その数の単位は一体何なんだ？という突っ込みどころは置いて置くとしても・・・
例えば件の荒浜へ行く県道沿いには２０１１・３・１２には３００体の遺体が横たわっていた・・・といった具合に過去とか死とかいうのは「定数」だと思うんだ。
いい国（１１９２）作ろう鎌倉幕府といった具合に僕らは過去を数字で認識している。
生きているという事は「速度を変える事」「移動をする事」「変化する事」そして「いつか死ぬ事」
そう・・・
年月日 死亡 享年歳と定数化する。
いい国(1192)作ろう鎌倉幕府という語呂合わせの裏には、いい国作ろうと思ったが作れなかったという意味が隠れてる。
何故なら鎌倉時代が定性的にあるいは定量的な「いい国」だったのであれば「いい国作った鎌倉幕府」となるからだ。
そして生きているという事は変数に関わる事だと思うんだ・・・
そして「明日の事など誰にも分らない」という事なんだ(￣ー￣)
ラ・ヴィ・アン・ローズ
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