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2016年06月05日07:11
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コモン・ピープル
モッリッシーという人のアルバムに「ベートーベン・ワズ・デフ」という強烈なタイトルのアルバムがある。
なんで強烈かっていうと・・・日本語にすると「ベートーベンはつ○ぼだった」というまったくもって元も子もないようなものだ・・・まるで「王様は裸だ」ではないが・・・倫理観というかなんというか・・・
ところがモリッシーの真意は別にハンディキャップを小馬鹿にしているわけではなく、そういうものを見えなくしている社会に警鐘を鳴らたいというところにある・・・と、僕は思っている。
ベートーベン・ワズ・デフのハイライト・トラックである「モンスターが生まれる１１月」で歌われるモンスターとは「奇形」の事である。
ちょっと、ベートーベンの音楽について語りたい。
ベートーベンの最も有名な「運命」を脳内再生していただきたい。
「じゃじゃじゃ〜〜ん♪」の例のアレだ
あれは「じゃじゃじゃ〜ん」のセンセーショナルなメロディの相似を永遠と繰り返す・・・それでいて全体として起伏に富んだ実に画期的な楽曲である・・・
さて・・・なぜこんな曲想を思いつくのか？
それは「ベートーベン・ワズ・デフ」だからだ
聴こえないから、脳内で音の記憶を辿りながら・・・「懸命」に紡ぐからだ。
最初の「じゃじゃじゃん」から3度上はこの音だから・・・えーっと
みたいに自分の記憶の相対音感を駆使して必死にメロディを紡いでる。おそらく・・・
うちの近所に障碍者が働くカレー屋さんがある。
僕は最近「贔屓」にしていて・・・最近よく通っている。
それは別に「障碍者」がやっているからではなく味が好みだからだ
ここが微妙で面白いんだけど・・・「障碍者」がやっているから行かないでは「差別」になるけど・・・
「障碍者」がやっているけど「美味い」となると・・・それは凄い事。
恐らく凄まじい努力がある・・・まさに「懸命」・・・命懸けってやつだ。
大事な事は同じ土俵にまず引き上げる事だと思う。
差別狩りの果ての強烈なデオドラント化・・・それは「無視」という強烈な差別を産み出す。
見なくてもすんじゃうのだ。
それが現代。
言っておくがお気に入りとか贔屓というのは差別である。
人間は日々の生活の中で選択という差別を繰り返す。
写真とは選択芸術である。絞り、シャッター速度・・・もっと言えばフレーミング。
構図を選択する事で、その構図から零れる情報を捨てる事。
ゆえに写真における作家性とは撮りての審美眼、選択眼に依存する。
よく言われる事だけど、いい写真やいい絵画とはフレームの外を想像させるもの。
僕がスナップという表現に拘り・・・且つジャンクに拘る理由は実はそのあたりを端にしていて・・・光が当たるものは基本的に綺麗に弾く。それは塵だろうが、花だろうが関係ない。
震災瓦礫を使うのにも根底にはそういう想いがある。
震災瓦礫だから・・・とか震災瓦礫なのに美しい・・・とかじゃなくて「震災瓦礫だからこそ」・・・そういうレベルまでという想いがある・・・
奇形の「奇」というのは「数奇」の奇であり「好奇心」の「奇」であり・・・「奇跡」の「奇」でもある。
僕は日々この奇形なキャンバスに向かううち、通常の端正なアスペクトにあまり魅力を感じなくなってしまった。
さて今日は「とっておき音楽祭」
とりあえず・・・健常者も障碍者も「ありのまま」の土俵で・・・それらが奏でる奇跡を感じてみたい
パルプでコモン・ピーポー(￣ー￣)♪
コモンとは「あたりまえ」「ありきたり」の意味である。
「ありのまま」である事は今や「ありきたり」ではない。
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