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2021年12月31日11:27

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風林火山伝 第77話  信玄 坂本城入城

明智光秀は坂本城に入城した武田信玄、浅井長政、朝倉義景を出迎えた。

信玄は「出迎え大儀である。今の京の都の様子はどうじゃ?公方様を見事、松永の手ものより助け出してくれて感謝しておる。その松永久秀はいまや織田信長を裏切り、我が武田の味方になった。なぜ久秀は公方様を本能寺で人質にしたのかのう?」と光秀に尋ねた。

「おそらく久永は家臣を使い公方様を人質としたのは、信長の信用を得て、油断させるたとこで、信長の不意をつき、討ち取り、天下の主導権を握りたかったのでしょう。」

「久秀は味方になったものの油断ならんな。またいつ武田を裏切るか心配でならぬ。今後の久秀の動きには注意せねばならん。」

「聞くところによると久秀は鳥羽に陣取り、鴨川を挟んで織田軍と睨み合っている様子に
ございます。そして恐れ多くも久秀の秘密兵器 平蜘蛛の窯爆弾を使い織田軍を威嚇しておるとのことでございます。」

「そのうち、わが軍の先発隊約6千 馬場信春、真田信綱、小山田信繁が松永軍に合流すべく鳥羽に到着すると聞いておる。心配なのは織田軍と戦うために我が軍と松永軍が
うまく連携できるかじゃ。」

その後、坂本城では信玄公を歓迎した宴が行われた。そして、光秀は信玄に光秀の家族を
紹介した。「これは妻の照子、長女のたま、先日、御屋形様に一時人質として預けました光慶でございます。」

「光秀殿は美しい妻をもって幸せだのう。また、先日、人質として預かった光慶殿は4歳ながらにしてしっかりしておる。それに長女のたま殿は妻の照子殿にてかわいらしい娘じゃ。そして、我がそばにいるのは石田佐吉と言い、長浜で我が家臣とした。なかなか利口で頼もしく、年は12才になる。今後はわしの側近として仕えさせるつもりじゃ。たま殿は今年いくつになられる。」

「歳は9才にございます。そちらの佐吉殿とは歳は3つしか違いませんな。将来は佐吉殿のような頼もしい夫を迎えたいものでございます。」と光秀は言った。

「佐吉と申す。拙者は近江 長浜の出で、こたび縁があり、御屋形様の家臣となった。よろしうお願い申す。」と佐吉は顔を少し赤目ながら緊張しながら言った。

「私はたまにございます。我が父もこたび縁があり、御屋形様の家臣となりました。これも何かの御縁ですね。貴方様の今後の活躍楽しみにしております。」と二人はしばらくなかよく話続け、宴会の席を出ていった。

その後、朝倉義景が「信玄様は、明日、京へ上洛とのこと。わしも同行しても構いませぬか? できたら長政も一緒に。まだ公方様を拝謁したことがございません。」

「是非とも、わしにご同行頂きたい。公方様も義景殿、長政殿に対面されることを楽しみ
しておるとのことであった。」

一方、京の二条御所の足利義昭は光秀の重臣 明智秀満に「信玄殿は、今、光秀の居城
坂本城まで軍を進め、お主の主君 光秀が信玄をもてなしておる。信玄殿は明日3月8日
京に上洛し、初めて対面する予定じゃ。信玄殿に加え義景殿、長政殿とも対面する予定であり楽しみにしておる。ところで信長の動きはどうじゃ?」

「松永久秀が織田信長を裏切り、鳥羽付近で鴨川を挟んで松永軍と織田軍が睨みあっているとのことにございます。」と秀満は言った。

「わしを人質にした久秀が信長を裏切っただと。信じられん! 何かの間違いではないのか! わしは久秀の手のものに殺されかけたのだぞ。いくら信長を裏切り、我らの味方になったと言ってもわしは久秀を許すわけにはいかん!」と義昭は叫んだ。

「公方様の仰せはごもっともであります。久秀殿は何を考えているかわかりませんな。ひょっとして、信長を討ち取り天下をひそかに狙っているのではないでしょうか? 当面は
久秀は要注意でございますな。」と秀満は答えた。

翌3月8日 武田信玄、浅井長政、朝倉義昭連合軍は坂本城を出て、念願の京の都を
目指すのであった。兵の数は約4万とかなりの軍勢であった。

そして、義昭は信玄にゆかりのある人物を対面させるべく、ある老人を今出川家から
二条御所へ呼び寄せていたのであった。


                                つづく










 



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