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2021年09月08日01:03

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ドイツの建築家

ブルーノ・タウトという建築家
あまり有名ではない
日本では一部の建築に興味があったものぐらいしか知らないだろう

日光東照宮を嫌い
桂離宮や伊勢神宮に心惹かれた
「地面から自然に生えだしたもの」
と神宮などを表現し
その様子をいく枚かのスケッチに残している
地面から直接生えいずる瞬間のようなイメージの絵は
彼が目にした日本の風景や自然観であったのだろう

同時に 彼の持つ宗教観でもあった
要は 
世界宗教と言われる宗教は押し並べて権力と融合しやすい
あるいは 自ら教えを広めるために権力ににじり寄る
しかし
部族的な宗教 いわゆる自然宗教の多くは
まだ国家ができる前からある 精神的なその地域の精神の原型だ

日本で言えば仏教が政治的な装いをし
神道やある種の祖霊信仰がその原型をなす
といったところだ

ブルーノ・タウトは早い時期にそのことに気づき
徳川の日光を権力正当化の装置として見つつ
桂離宮や伊勢神宮をそうであらざるものとしてみた

幕府のものと天皇のもの
そういう言い方をして
建築そのものが権力機構の中にあるか
それとも外にあるのかを分けて考えたということだ

かなり昔
風呂屋はなぜにあれほどまでに立派な建物なのかを考えたことがある
風呂屋の主人の社会的地位はさほど高いものではなかった
燃料となる焚き物の多くは
重油や石炭が出るまではゴミのこっぱだ
しかも汚れ仕事だ
ならばせめて建物を立派にして
その辺りをうやむやにせねばならない
基本的には銀行や株屋の建物も同じだw

茶の湯の世界で「むくり」という屋根の形状がある
先端が程よく垂れて偉ぶらない
建築様式を使って身の程を上回るしつらえにしない
ある茶人が 誰それの屋敷を訪れたとき
そっくり返った門の屋根を見て
この人と茶を飲むにあたわずと帰ったそうだが
そういう感覚はもう今はなかなかない
どこか自分に権威をつけたがる人は多いし
それを不快にも感じなくなってきている

ドイツ人の建築家が感じた日本の感覚を
なんとなく思い出した
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