仕事上の理由で悩みを抱えた友人がいる
本人ではどうしようもない話ではあるが
その当人から電話がかかってくる
基本的に何か助言ができるわけでもないので聞くだけだ
ああだこうだ聞きながら
散々話した後
実はある本を読んでいる
今の自分にはしっくりくる本で役に立つ気がする
読み始めたばかりだけれども
と言う
本なんかめったに読まない人間だから珍しいことで
何の本だと聞けば
アドラー心理学だという
おれもまだ人間ができてないっていうか
バカだというか
それ聞いた瞬間に 「やめたほうがいい」という言葉が出た
そんなもんは心理学でも何でもない
ただの自己啓発本で 弱ってる人間の読むもんじゃない
心理学の体裁は整えているが
とても科学とは言い難いものだ
といった
そんなものを読むのなら
瀬戸内寂聴でも読んだほうがいい
とも言った
別に瀬戸内寂聴が好きでも嫌いでもないが
とりあえず宗教者で科学者ではないことが救いだ
好きに書いてりゃいい
しかし アドラーがやってるのはは科学の一端の心理学であり
それが科学と言い難い時点で学問にとって邪魔なだけの自己啓発の書になっている
にもかかわらず科学を纏ったままなのだ
おれはそういうのが大嫌いだ
でもまあ おれの好き嫌いは関係なく
彼の言うことをうんうんと聞いてればよかったはずだった
嫌な後味が残る
おれもまだまだだなあ
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