mixiユーザー(id:9160185)

2020年04月29日00:03

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いつのまにか空っぽの血管


おまえの
見開いた目の
いたみ

排水口を、すべる
小便の
甘い匂い

午前零時の
渇いた鐘の音が
脳味噌の中で鳴る


今日の臨終


噛み砕いた林檎の酸味
手のひらに刺さる
割れた和盆の
破片

血の滲むうたが
闇の向こうに消えた
かすかなハウリングだけを残し


狂った世界
頭蓋骨に注射針
浸透する薬剤のラベルを素麺のように啜り

馴染のあるゆがみ
過去と明日の入り混じった
あたたかで乾いた糞

打撲!打撲!打撲!
骨が欠けた瞬間
水晶の中で蝶々が孵化する
冷たいね、お前の心臓は点に満たない
羽ばたくがいい
翻ろうと草を這おうと
どうせ生い先短い身

ねえ君、うたおう
出来る限りの惨酷な歌を
世界はどうせ切傷だらけ
血塗れのメイン道路で
真っ赤なコンバース履いて


ディストーションだなんて
あらためて言わなくてもいいだろ
なにもかも転がせばいい
傷口がすべてを教えてくれるさ
おまえの身が真っ直ぐに貫かれたとき
天を向いたおまえの目には
背骨の頂点のような
真っ白い月が見えることだろう
肉体は蛆虫を育て
おまえは真っ黒な霧になる
そら、ディストーションだ
ヒナギクのチェインソーも真っ青だ

死体処理場で
おまえの骨を探そう
なに、心配はいらないよ
きっとそれは
おれ好みのかたちをしているから

部屋に帰ったら
遅い夕食を取ろうね
バラエティー番組に唾を吐きながら
くだらない小言を鼻で笑って


そしたら朝まで
ぐっすりと眠れるさ
きっとさ





きっとさ

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