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2019年12月22日07:53

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センシャス

センスというものを考える。

日本語にすると感覚ってなるんだろうなぁ・・・
感覚というのは何か？それは神経の反射であり、外界の刺激に対してセンサーが感じる刺激、それに対する反応だ。その反応の仕方が千差万別で、そこで問われるのが良し悪しだ。

これは持論なんだけどセンスっていうのは後天的にゲットするといった類ではなくって、もともと持っている自分の中の素養を洗練させることなんだろうなあって思う。

だからセンスっていうヤツは外付けで身に着けるものではないし、どこかに売っているような類のものでもない。
お金を出して得られるものは誰かのハイセンスであり、そのハイセンスが自分に合うかどうかっていうのは微妙なところで・・・それこそがセンスを問われる部分なんだろう・・・
じゃあ、巷でいわれるそのハイセンスであるとかその「センスがいい」といわれるためにはどうしたらいいか？というと・・・トライ＆エラーを繰り返して試練を繰り返し、時には傷つき乗り越えることなんじゃないか？と思うんだ。

知識が得るものならば、
センスは磨くものだと思うんだ。

そしてそのセンスを磨く為にどうすればいいのか？というとスティミュラスな刺激を受ける場所に自らの身を置く事だと思うのだ。

仙台の地下鉄荒井駅っていうところで、「継承のしさく」っていう展覧会をやっている。
地下鉄荒井駅っていうのはまさに東日本大震災の津波の被災地に出来た地下鉄駅であり、荒井周辺の復興っていうヤツは仙台では極めてシンボリックな復興の象徴である。
この絵を描いているのが陸前高田の瀬尾夏美さんという人なんだけど・・・

僕はすごく感じ入ってしまった。

非常にセンシャス(感覚的に伝わる)だと感じたんだ。

瀬尾さんは東京芸大の油絵学科をご卒業されているんだけど、まったくアカデミズムを感じさせない

例えば「しさく」という言葉を使った時点で、それは「施策」「試作」「思索」或いは「詩作」であるとか・・・様々な含みを持たせつつも非常にシンプルでセンシャスに心に響く。

例えば子供のメッセージの「がんがれ」と同じで意味はよく分からないが、言いたいことはわかるし、本当に伝わってくる。

「伝承」というのは頭で考えさせる即ち知識の蓄積じゃあ今の時代はだめなんだ。
そういうのは今後、クラウド化されてアーカイブされるだろうし・・・

人間が個人の知識として蓄積するキャパっていうのには限界があるし、他人に蓄積された知識っていうは属人化してしまい伝承、継承しない。
それは蓄財と同じであって知識を抱えると、知識量を人に誇る事があっても、それを人に(無償で)分け与えるという事をしなくなる。
いわゆる知識自慢の構図ってやつなんだが・・・

分かち合う、シェアするという原則を外れ、持つものと持たざるものの間に優劣が生じてしまうからだ。

そして知識を集積、体系化したものがアカデミズムであり、それを得る為にはそれ相応の対価を支払うことになる。
じゃーいらねーよ！ってなるだろ？

肌感で感じた事っていうのはずっと心身に刻まれていくし・・・また、同じ刺激(痛み)を感じた人の間には共感が生まれてそれらは時に大きな未来への推進力となるし、かつセンシャスに次の世代へと受け継がれていくんじゃないか？って思う。
福山くんのドラえもんのテーマじゃないけど、遺伝子となって伝わるんじゃないか？

ボランティアに子供がきたって作業という意味においては役に立たない。

ただ実際に被災地をセンシャスに見て、肌感で感じて土嚢袋に絵を描くという事にはとても意味がある。

そんな意味において僕の今の生活は極めて感覚的で、ボランティア→仕事→スーパー銭湯や近場の温泉でリラックス→ワークマンやダブルストーンで買い物→寝る→時々スナップっていう極めて単純でストイックなサイクルで繰り返されていて・・・条件反射、自律神経、運動神経だけで生きているような感じで、物事を深く洞察したり思惑に沈む事もない。

そんな日常の中で感じることは、「熱い」「寒い」「美味い」「面白い」と極めてシンプルなものだ

ではあるが・・・それがすごくいいんじゃないか

？
って思っている。

例えば、今年の秋に首里城が燃えてしまったけど今それを気にしている人がどれだけいるのだろうか？

勿論、地元の人にとってはとても大切なものであるし、かつ地元じゃなくとも個人として首里城の歴史的な意義を知る人の中ではとても大きな問題だと思う・・・だけどやはり知識ではそれは広まらないし、伝わらない。
拡散し稀薄化して消えてゆく。