mixiユーザー(id:1940449)

2019年06月21日02:56

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社会はなぜ右と左にわかれるのか6.二元論

マイケル・S・ガザニア先生の「人間とはなにか」
上下巻に別れた結構な長編
しかし 非常に面白い
理解困難な専門知識は皆無でも読めるのでぜひご一読
まー つっても他人に勧められた本なんぞ読まんわなw

「社会はなぜ右と左にわかれるのか」
よりもより詳しくその辺りを解き明かしてくれている
その中でも
「誰もが二元論者のように振る舞う」
の項目はテーマとして重要なところだ

一元論 二元論は今日でも様々な議論のあるところだが
このテーマに沿って乱暴に定義するなら

一元論とは心と体が別々にあるということを人間において認めない立場

二元論とは 心と体は別の存在としてあると認める立場

断っておくけれども
これは古くからの一元論・二元論の議論とは前提が全く違うので同じ意味ではない
ここでの一元論は心の働き・情動は脳神経によるものであって心単一で存在することはないと云う意味である
wikiとかgoogle先生に教えてもらうと誤誘導されるw

今日では宗教理論や形而上の話以外で二元論を主張する学者はいないと言っていい
ただ 多くの人は基本的に二元論的に自分の考えを構築する
人間には心というものが体とは独立して存在し
そして 人間ばかりではなく動物やものにまでその心があるという前提で自分の考えを構築する
宗教的一元論はこういった意味では明確な二元論であると言ってもいいだろう

これは人間に「直感」という感覚が存在するからで
先にも述べたように
「直感」は視覚によって得た情報 臭覚によって 触覚によって得た情報と同等の影響力を持ち
それを否定するには 自分の感覚をまず否定するという不快で困難な作業を行わねばならない
ガザニア先生はこの心的二元論を人間に生まれながらに備わった生来的な能力であると主張する

人間は生まれ持った能力として 二元論でものを考える
これは驚異的な話であるとともに
その二元論こそが人が人の心をある程度予測して読み取る能力である「心の理論」の基礎をなす能力だ

そして この「直感」は意識されない
ほとんどは脳内のやりとりで無意識に作り上げられる
そしてその直感の正しさを証明するために意識的な合理化が行われるという順番だ
まず直感がなければ脳が思考を開始しない
なんの刺激もないままに脳は反応しないからだ
そして その直感は二元論的に心でものを感じ その心が他者にも存在すると言う確信のもとに人間の思考はスタートする
どんな天才的科学者であろうがインテリ政治活動家であろうが単純作業労働者であろうが
同じ人間という種であるからには
そういう思考をする遺伝子からくる習性を持った生物であることに変わりはない
人が群れを作る基本能力がこの二元論でものを考える能力そのものだ

しかし 人類の長い道のりに比べて
あまりに早急なリベラルの思想はなんの淘汰も受けていない内省的な思考の賜物だ
どこまでいっても 何かしら人間という種の直感とは相容れない部分がある
直感に由来しない理性の思想は
裕福な白人で教育を受けた者の中で生まれた思考であり
世界の大半はそうではない人間の直感に支えられている
群れを守り食料を確保し
共同体の存続を何にも優先するために役立ってきた直感を信じている人間という種だ

社会はなぜ右と左にわかれるのか
少なくとも近代思想などで分かれているわけじゃなさそうだ
多分 もっと生物学的なものかもしれない










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