mixiユーザー(id:1940449)

2018年08月14日18:38

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家具文化

テーブルセットで5.60万
ちょっとした洋服ダンスや食器棚で30万程度
この辺りが 木製家具で手抜きをせずに作った商品の最低価格だ
もちろん こんな価格で一般的な消費者は買わないだろう
しかもこの値段は 生産者から直接か 
良心的な仲介業者が20%ほどの利益で販売された場合の値段で
デパートや大手の家具店に並べれば倍以上の金額になる

これでは産業として成り立たないので
戦後の家具需要が極めて大きい時に
原材料や製造方法の見直しを行い
低コストの商品を流通させた
日本人の大部分は その「家具」しか生活の中で目にしたことはないし
それで不自由はない

デパートや大手家具店で店頭に並ぶ家具の仕入れは
およそ30%〜45%ほどだ
10万円で買える中〜低価格層の食器棚でも
工場出荷額は4万円程度で
工場の製造コストと大差はない
その商品を作るのに何日かかるか考えてみればわかることだが
そんな利の悪い仕事をする奴はいないので
日本の家具工業に将来性はあまりないだろう
要するに
家具自体の需要はあるが 中間業者が存在できるほどの原価圧縮はできないので
業界全体が消えつつあるということだ

大塚家具の詳細な内情は知らないが
先代社長はこのような状況は十分認識していたと思われる
したがって 今後を考えるなら高級家具路線を維持するしかなかったわけで
そうしなければ 付き合いのあった国内の製造メーカーの経営基盤を維持させるわけにはいかない
それをマーケティングや合理性だけで再生させようとすれば
業界全体の再構築を可能とするような資本が必要だが
大塚家具程度ではそんな文化全体を変革させるほどの力は当然ない

いってみれば
日本には「良い家具」というものを認める時代がなかったわけで
その辺りはヨーロッパとは全く異なる文化だ
住居と一体化して 住宅価値を高めるための投資として家具が選択されるようなヨーロッパの住宅文化は日本には根付かなかったし
住宅の耐用年数や その歴史に対する付加価値というものを認めてこなかった背景もある
そもそも住宅自体が戦後のバラックから始まった廉価商品で 歴史的な付加価値を射程に入れたものではない
そもそも価格の半分はマーケティングに費やされるような「商品」にそんな付加価値は望みようもない
同じことを家具でやろうとした新生大塚家具が不審なのも当然と言えば当然だ

戦後 この国は「売ること」しか考えずに文化を構築してきた
売れることは正義である
商品が 売るためのコストが商品単価の7割を超えても
売れている限りは それは正義だという

おれはその手の正義をほとんど憎んでいるw
もちろん 身銭切って商店を出し そこで商品を並べる人々に何も言いがかりをつける気もないしそれはそれで必要な仕事だろうが
そこに付け入ってマーケティング理論だのコンサルだのを名乗って利益をちゅうちゅうするだけの寄生虫に同情する気は全くないw

まー そんなことをこの一連の記事を読んで考えてたw




大塚家具、「継続企業の前提に重要な疑義」 3期連続の最終赤字に
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=40&from=diary&id=5244310
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