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2017年11月15日01:09

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浄土真宗考.1

浄土真宗は宗教として最もおもしろい部類に入ると思っている
平易に見えて難解極まりないこの宗派は
開祖の天才親鸞をして
その老齢に至るまで教義に信頼を寄せてはいなかったことからも
如何に難解か解ろうものだ

浄土真宗について書かれた本のほとんどはその宗派の僧侶かそれに近い信者の立場から書かれたもので
学問的な立場から書かれたものは意外に少ない
つーか あるけど高いw
およそ一般に手に入るのは
親鸞を神格化したり 教化の為に書かれたもので
実際の親鸞像についてはそれほど詳しく解明されているわけではない

まー 何しろ宗教やからね
学問として成り立ちにくい超越的な部分はあるので
その辺りには立ち入らない事が肝要だ
本人がそう解釈しているのであれば
別に おれの晩ご飯のおかずが減るわけでもないので困りはしない

ただ この巨大な教団がこの島の思想的な歴史に与えた影響は大きい
それをできる限り正確に検証していく作業はいずれ誰かが手をつけるだろう
それはもう始まっているのかもしれないが

今回 参考にしたのは
「浄土真宗とは何か」 小山聡子
「妙好人とかくれ念仏」小栗純子
「仏教土着」高取正男
「宗教民俗学」高取正男
「白山信仰の謎と被差別部落」前田速夫
「薩摩民衆支配の構造」中村明蔵
「中世非人と遊女」網野義彦
「近世の地下信仰」共著
「魔の系譜」谷川健一
「妙好人論集」柳宗悦
「一遍と時衆の謎」桜井哲夫
「妙好人」鈴木大拙
「仏教はなぜ女性を差別するのか」永井俊哉https://www.nagaitoshiya.com/ja/2004/buddhist-sexism/
「仏教と性差別」田上太秀
その他

以上だけれども
この中の「妙好人とかくれ念仏」の内容から
現代日本に息づいている仏教的道徳というものを中心に書き散らしてみたい

妙好人とは浄土真宗が理想的信徒として設定した人々の話だ
どちらかといえば「いい話」として伝えられている
日本昔話的ないいおじいさんいいおばあさん
ちょっと足りないけどいいおじさんみたいな話として読まれることが多いようだ
しかしまー なんちゅーのか
原典に近いところを拾い読みすれば 
おれとしては まさに身の毛のよだつような空恐ろしい狂信者の話としてのイメージが強かった
これのどこがいい話なんだよ みたいなw
これ読んで「ほのぼのします」とか「ポッとあったかいものを感じます」なんちゅう信徒の感想を読んで
おまいらダイジョブなのか?と思った
神道者にはついていけないものがあるw

この「妙好人」という教化を目的とした説話の数々は
教団の法主の各種宣言「消息」と並べて理解する必要がある
浄土真宗に対する度重なる迫害を経て
教団存続のための方策として権力への絶対服従とその方針の倫理道徳としての一般化をなして行くプロセスがそこにはある
その巨大化していく教団の姿勢や 僧侶の現世主義や腐敗に対して出てきたものが
「かくれ念仏」だ
ひたすら親鸞の原点に戻るべしみたいなところから出てきた江戸時代の新興宗教で
とは言っても その内容は専門教育を経た僧侶ではなく町場の信徒から出てきたものなので
極めて土俗的である部分も多い
まあ 言ってみれば宗教としては稚拙だと言っていいだろう
その二つを並べることにより 当時の真宗の状態を書いたものが
「妙好人とかくれ念仏」という本だ
その本自体というより
その設定がわかりやすく新鮮だったので
ここらを中心に書き散らしてみたい

もし読んでる人が信徒で気分を悪くされたら
先に謝っとこう スンマセン
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