mixiユーザー(id:14882521)

2008年02月02日00:00

185 view

平方根

負でない実数aに対して、a = b^2 となるような b を、a の平方根という。a = 0 ならば a の平方根は 0 のみである。
a が正のとき平方根は正と負の2つ存在し、そのうち正である方を便宜的に √a と表す。
そうすると、a の平方根は ±√a と表記される。便宜的に √0 = 0 とする。
例えば、1 の平方根は 1 と -1 の2個であり、√1 は 1 の方を表す。-1 は -√1 と表される。

ところが、a が負の数のときは厄介な問題が生じる。
平方根は実数の中には存在せず、複素数まで数の範囲を拡げると、a の平方根、即ち a = b^2 を満たすような b は二つ存在する。
このうちのいずれを √a と定めるべきであるかということには必然的な答えを見出すことはできない。
つまり、どちらを選んだのかを区別することができない。

b^2 = -1 の二つある根のうちどちらでもよいから一つの解を i(虚数単位)で表し、
負の数 a に対して √a = (√|a|)i とする。
このように定義すれば、b^2 = a の根は ±√a と求めることができる(a = -1 のとき √-1 = i だからこう定めることに矛盾はない)。
しかしながら、i は b^2 = -1 の根であれば ど ち ら で も よ か っ た こと、どちらを選んでももう一方の根は -i であることを考えれば、
負の数 a に対する √a という記号は単独で 方程式 b^2 = a の根のいずれか一方を一意的に指し示すものではなく、
i のとり方に依存してようやく一つの数を指し示しているにすぎない(i の採択依存)。

左画像の等式において成り立たないのは三番目の等号である。
つまり、√a√b = √(ab) は一般には成り立たない。

※ 中央画像は左画像と共に「無効な証明」(invalid proof)、右画像はガウス平面の張り合わせによる原点付近での平方根函数のリーマン面(cross-capとなっている)

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%96%B9%E6%A0%B9
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Square_root

参照(語彙):
虚数単位
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E6%95%B0%E5%8D%98%E4%BD%8D
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Imaginary_unit
無効な証明(invalid proof)
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Mathematical_fallacy
cross-cap
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Cross-cap

参照(関連サイト):
根号について
ttp://aozoragakuen.sakura.ne.jp/taiwa/taiwaNch01/node25.html
高子数理研「間違いをさがそう」問6(虚数):右画像
ttp://www3.ocn.ne.jp/~takako85/sansu4.html
ttp://www3.ocn.ne.jp/~takako85/ans13.html
invalid proof(無効な証明)
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Mathematical_fallacy

参照(過去の日記):虚数と平方根
ttp://mixi.jp/view_diary.pl?id=621811209&owner_id=14882521
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する