辞書の話

辞書も整理したいと思う。

評価を書いておこう。

「日本国語大辞典」（全十巻）小学館
国語辞典としては最大。
百科事典や語源事典としての機能もあって便利なのだが、「お湯殿の上の日記」についての考察を誰かがしていたように、引用文などに問題がありマイナス評価の声も高い。
しか〜し、こうした広汎な本を作ると必ずそんな評価が出てくるものなのだ。
辞書などというものは、出来て間違い直しを繰り返し、だいたい良くなると内容が古くなって新版を出す必要が出てくるというもの。
特にこれは、漢和辞典の原稿書いていたときの担当さんが同じく担当していた辞書なので何だか手放す気にならない。

「例解新国語辞典」三省堂
編者からいただいた本。
わかりやすくていい本だと思う。
さすがに私は使わないから息子に渡したのだが、彼は字を調べるのは辞書ではなくネットを使っているようなので、全く出番が無いらしい。
もったいない話だ。
これは、贈呈記が書かれているから売れない。

「角川国語辞典」角川書店
学生の頃使っていた辞典だが、今では全く使わない。内容も古くなったので、捨てるしかないだろう。

「広辞苑」岩波書店
いまや無用の長物。
重いし邪魔になるので早く捨てたい。
内容的に問題がある箇所があるのだが、岩波のネームバリューか新聞などによく登場する辞書であるせいか、信頼を寄せている人が多いのは驚嘆に値する。

「岩波古語辞典」岩波書店
昔使っていたが、今は辞書を使わなければ読めないような日本の古典は読まないので使わない。
先般、韓国の友人から「風土記」だの「古事記」だのの古代歌謡に関する質問が山と来たが、辞書を引くまでも無く解説つきの「古典文学大系」で全て事足りてしまった。

「倭名類従鈔」（全二冊）風間書房
版本としては面白いのだが、狩谷エキ斎の箋註があるもののほうがはるかに使える。
この本も源順が作った当初のものであるのかどうか？
とにかく、もう使いそうも無いので投売りで売ってしまう。

「下学集」新生社
古辞書叢刊の第２冊。元和３年版だが、思いのほか使いようが無かった。
「節用集」や「日葡辞書」の方が使いでがあったか？
これも売ってしまう。

「物類称呼」岩波文庫
これは面白かった。
「まんこ」などという言葉はこれが初見ではないだろうか？
場所もとらないし、売らない。

「大漢和辞典」大修館書店
これに頼ってしまうのはどうかと思うが、上手く使えば役に立つ。
もともと、「中国学芸大辞典」の校正の仕事の謝礼で買ったもの。
用例など「佩文韻府」の焼き直しだと言われたが、「漢語大詞典」には固有名詞が載ってないので便利な面がある。
中国人は「辭源」でも引けるが、日本人はダメなので、マァ便利かな？
もう時効だから書いてしまうが、「中国学芸大辞典」の校正をやっているときに社用の「大漢和」を使ったのだが、直しでまっかっかになっていた。
こんな辞書、買ってもいいものかと迷ったが「まぁ、買っておきなさいよ。（今の実力では）まだ使えると思いますから」と言われて買ったのだ。
で、…確かにそうだった　(^_^;)
そういえば、諸橋徹次先生はこの辞書をほとんど書いてないという話は本当なのだろうか？
某大学のチームが全て書いたというのだ。
鎌田先生が御存命の内に聞いてみたいと思うが、知っていても話してくださらないかもしれない。

「角川新辞源」角川書店
よく出来ていると思う。
持ち運びにも便利なので、けっこう使っている。
M先生は、これを研究会で持ち出すと「新辞源学派！」なんて言ってバカにしたそうだが、そんなに悪い辞書じゃないと思う。

「支那文を讀むための漢字典」山本書店
有名な本なので買ったが、まるで使わない。
どこか奥の方に転がっているはずなので、見つけたら売ることにする。

「学研漢和大辞典」学習研究社
藤堂明保先生の労作だが、ハッキリ言って使いにくい。
作り手の意欲が感じられても、使い手にとっていいとは限らない。

「辭源」（全四冊）商務印書館
「漢語大詞典」が出る前はもっぱら頼っていた辞書である。
今ではほとんど使わないが、まぁ、名著だろう。

「漢語大字典」（全八冊）四川辞書出版社
早く処分したい本の一つ。
何故かと言うに「縮印本」を買ってしまったからなのだ。
内容を評価する声があるが、私にとっては使いづらい辞書の一つ。

「漢語大詞典」（全十三冊）漢語大詞典出版社
辞書を出すために出版社を作ったようだ。
日本では、続群書類従完成会なんかが、その類いか？
とにかく、今一番お世話になってる辞書。
「漢語大詞典」「辭源」「漢語大字典」「大漢和」などに当って無いと「佩文韻府」に行くわけだが、ほとんど間に合ってしまう。

「古漢語常用字字典」商務印書館
古語辞典だが、今では全く使わない。処分対象だ。

「簡明漢語字典」上海教育出版社
全く使わない。処分対象。

「新華字典」商務印書館
中国語を覚えるときつかったもの。

「辞海」（語詞分冊縮印本）上海辞書出版社
使わないので、処分対象。

「聯綿字典」（全四冊）中華書局
使い切らない内に、いい辞書が出来てしまった感じ。
処分したいが、高くは売れないだろう。

「宋元語言詞典」上海辞書出版社
あまり使いでが無い辞書。
宋代をやる人に買ってもらう。

まだまだあるが、また後で。