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2026年11月04日00:01

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このほんわかした風刺コメディーは、とりあえず風刺として楽しみましょう。イヴ・ロベール監督「ぐうたらバンザイ!」(1968)。

2009年のミクシィ日記に書いていますが、もう内容はほとんど忘れていました。怪力男のアレクサンドル(フィリップ・ノワレ)は、女房のエリアーヌ(フランソワーズ・ブリオン、写真2)にことごとく管理され、120ヘクタールにおよぶ大農地を一人で切り盛りしています。彼は一瞬のすきを見つけたら寝てしまうのでした。

という状態が面白おかしく展開し、30分経ったあたりでエリアーヌと、同居していた彼女の両親が交通事故で亡くなります。するとタガの外れたアレクサンドルは、好きなだけ寝て何もしないでぐうたら生活を始めます。買い物のメモを犬に託し、よろずやのおばさんはそれに応える、という展開。村人たちは“それでいいのか?”と元に戻そうとする。

とはいえ、働かずに暮らしているアレクサンドルに感化される輩も出始め、もともといい加減なところのあるアレクサンドルに手を焼いていた親友たちが、事態を変えようと努力しますが、アレクサンドルは簡単に従うに加減ではありません。というような、実に浮世離れした風刺コメディーでした。

このイブ・ロベール監督は、1961年に「わんぱく戦争」という子供たちのかなり真剣な戦争ごっこを作っており、フランスでは同時期に公開したハリウッド大作「史上最大の作戦」を上回るヒットを記録したらしい。戦争で捕まったらボタンを取られるということで、原題が“ボタン戦争”という部分も受けました。

もちろん“ボタン戦争”というのは核兵器による終末戦争をもじっているのですが、内容は他愛のない子供たちのほんわかドラマでした。今回はその“大人版”ですね。「ガリバー旅行記」の作者ジョナサン・スウィフトは、Satire is a sort of glass, wherein beholders do generally discover everybody’s face but their own.(風刺とは一種の鏡であり、それを見る人々は、たいていの場合、自分以外のあらゆる人の顔を見出すことになる)と言ってます。

とりあえず僕は、女房がフランソワズ・ブリオンほど鬼嫁じゃないし(美人でもないけど)、僕自身フィリップ・ノワレのような並外れた体力もありませんから、この映画という鏡には僕は映りません(笑)。でも、これまでは好みでなかったマルレーヌ・ジョベール(御年28歳、写真3)が、この作品では色っぽいから少し惹かれました(笑)。

てなわけで、ありえない夢のような話を展開するほんわか映画です。目くじらを立てて非難する必要もないし、大々的に褒める必要もない。要するに僕は、同じフィリップ・ノワレの主演作なら、ロベール・アンリコの「追想」(1975)か、ジャン・ポール・ラプノーの「城の生活」(1966)の方を取ります。ま、人それぞれですけどね。
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