僕自身の記憶として、この「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」は1970年に見た映画でベストワンだったのです。当然、そのころは藤田敏八に入れあげていました。なのに今見直すと、いったいどこに惚れたのか、まったく分かりません。つまり、細部にわたってどこにも感動するシーンがなかったのです。そして、それがとても残念でならない。
物語をWikiから引用します。()内の俳優名は僕が追加したもの。
>タキ(地井武男)率いる不良集団「ペリカン・クラブ」は、「西部会」との主導権を争っていた。ある日、新興宗教団体・正教学会の幹部・藤森信介の愛人・アサ子(范文雀)が白馬に乗ってタキの前に現れる。
当時僕は、范文雀が好きでしたが、この映画の彼女はお嬢さんぶってるけど田舎っぽい娘っ子で、宗教団体の幹部を嫌いというだけで、その団体から大金を盗むことをペリカン・クラブに持ちかけるというあたりもピンとこないし、話に乗る不良集団も何一つ納得できません。あのころは、それほど“何らかの体制に反旗を翻す”ことが響いたのか?
結局この「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」からは、デボという若者を演じた前野霜一郎が、“1976年(昭和51年)3月23日、撮影用に借りていた小型飛行機パイパー PA-28で、世田谷区等々力の児玉誉士夫邸に突入して死亡”(Wikiより部分引用)したことしか思い出せませんでした。この映画でも、無謀な行為だけを繰り返している(写真2中央)。
もしかしたら、ジロー(夏夕介)がカナヅチで泳げないとボートの上でうずくまってしまう部分などが、あの時代の自分に響くところがあったのかもしれないとは思いますが、80歳まであと半年を過ぎた僕には、この不良集団に肩入れする気持ちは皆目湧かないのでした。地井武男も、藤竜也もまったく無意味でした。
救いは、梶芽衣子が「さそり」などの嫌味がなかったことですね。とりたてて魅力的ではないけれど、あの笑顔にはついていけました。当時は范文雀がもっとセクシーに思えたけどなぁ。そして、シングル盤レコードを万引きしてフリスビーみたいに飛ばすシーンは、この映画ではありませんでした。「野良猫ロック 暴走集団'71」だっけ?
とはいえ、藤田敏八には「非行少年 陽の出の叫び」(1967)があり、「非行少年 若者の砦」(1970)があります。←これに河辺和夫の「非行少年」をプラスしたセット物DVDが、アマゾンで15,453円というのはボリすぎでっしゃろ。と言いつつ、手を伸ばしかけている僕がいます(笑)。←げっ、ヨドバシカメラでは¥17,500ですがな。
たしかにDVDやブルーレイを発売している会社は、僕たちのような年金生活者のなけなしの金を吸い上げないとやっていけないのでしょう。いや、吸い上げたところで“やっていけない”からどんどん消えているんですね。いちおう「陽の出の叫び」はVHSで持っているから、しばらくは“持っている”という安心感だけで納得しておきます。
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