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2026年10月28日00:02

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いかなるダメ人間にも人間としての権利はあると思いますが、この映画の主人公ほどダメなら死ぬしかないのでは? ハリス・ディキンソン監督「URCHIN/アーチン」(2025)。

僕は今まで数多くのホームレスが登場する映画を見てきました。「ロバート・デ・ニーロ エグザイル」(2012)のように、ホームレス支援をしている息子の前に自分の父親が現れるのもいいし、あるいはニューヨークでホームレス生活を続けながらモデルとして生活する「ホームレス〜イケメンモデルの秘密の生活〜」というドキュメンタリーもよかった。

実は僕の家の川向うにベンチがあり、数年前からそこを寝所にしているホームレスがいます。毎朝6時半ごろ、僕が窓のカーテンを開けると、まだ寝ていたりするのです。もちろん口を利いたことはありませんが、別に反感を持つこともありません。しかし、今回のこの「URCHIN」に描かれるクズ男には、全く共感することが出来ませんでした。

主人公のマイケル(フランク・ディレイン)は、ホームレス仲間との諍いをおさめ、ベーグルでもくおうとまで言ってくれた恩人に殴りかかり、時計を奪ってそれを売り飛ばしてしまいます。そんな人でなし男が刑務所から出所し、更生生活を送ろうとするのですが、だらしなさが治らず、仕事を失います。その辺で僕は、“あんさん、いっぺん死に”でした。

とはいえ、マイケルくんは前述の事件で簡単に警察官に逮捕されます。取調官いわく、“今日び、監視カメラがどこにでもあるんやで”。そうでないと“正義”が守れないというのも問題だけど、今回はすんなり逮捕されてよかったと感じました。そして、刑期を終えて社会復帰をしようという方向へは進むんです。

社会のセーフティ・ネットが手を差し伸べ、周囲の人間もそこそこ親切につきあってくれるのに、このURCHIN(どうも“いたずらっ子”という意味のようですが、いたずらが過ぎるで)君は、眼の前の状況から逃避するという方向性しかない。そんな人間を主人公に据えて、それでも“生きる権利はある”とでも言うのかと思ったら、そうでもない。

僕が具体的にこういう人間に出会ったら、この映画の女性の同僚のようにマイケルを叩き出すでしょうね。もっとも逆上したマイケルに殺されるかも。つまりマイケルという人間は、人間ではなく“人でなし”なのです。←当たり前の論理だけど、それがしょーもないから、映画にするほどの物語じゃないよね。

それなのにエンド・クレジットに延々と人名が出てきます。こんだけの人間の協力があったら、そりゃ100分の劇映画を4Kで撮れるわな。おまけにBFI(英国映画協会)がロタリーで集めた金を提供してくれたようで、よろしおましたな。世の中、クラファンとかロタリーとかで、映画作りができる幸せ者がのうのうと生きてるわけだ。

もちろん僕だって、このマイケルくんに説教するほど親切心は持っていないし、あくまでも上から目線だからヤツは聞く耳を持たないでしょう。←劇中で、“ガキに言うような口調はやめてくれ”と文句を言ってましたな。世の中、自分の権利だけを主張して、義務を果たさない人間には冷たくていいのではないかと思います。

そんな余裕がある人なら、ロタリーで映画資金を集める前に身銭を切ってホームレス支援をしたらえーんとちゃいますか。僕はそういう慈善という方向には進みたくないな。ケン・ローチのような方向性も主張もきちんとしている人がいる一方で、とことんダメな人間をダメなまま描いて、それで映画作品でございと威張るなよ。←威張ってないか。

ということで僕は、この映画を“全く意味のない映画”のトップに据えたいと考えます。サイナラ、サイナラ、サイナラ…。
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