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2024年07月28日22:45

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「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」を見て。〜負うた子に学べるオジサンへと変貌出来た居残り休暇生活〜

都市部での公開日から時間がかなり経って、やっと地方でのお披露目となる。その間、いろんなところで評判が上がっているので、今更感が強いけど。短時間で判り易いか、中毒性のある動画がもてはやされる時代に、時制の入れ替えも無く刺激性も皆無の全尺133分は、飽く事ない話術は、手練れた作り手ならではの見応えを残してくれるのだけど、それ故空き時間の「消化」には不向きながっしりした芯が座って居て。

1970年代ののどかな雪景色に彩られた、マサチューセッツ州の全寮制寄宿学校が舞台。冒頭のユニバーサル映画のロゴも、現在のものと違う地球がぼやけた星雲に浮かんでいる様な当時の仕様に差し替えられて出だしから時代感を醸していた。サブタイトル的に添えられた邦題の付け足し部分からは、「ホームアローン」的なコメディ基調も想像されるけれど。

生真面目さとそれを繕う余計な皮肉から、生徒からも同僚教師からも浮いている独身の古代史専門の教師ハナムと、ベトナム戦争で一人息子を亡くした学校の女性料理長のラムに、母親が再婚したために帰省の叶わない男子生徒のタリーが、誰も居なくなった校舎で年末年始共に居残り者として顔を突き合わせて過ごさざるを得ない2週間を追って行く。

そこに、泥棒が入ったり恋が芽生えたり如何にものドラマ要素が生まれたりはせず。融通の利かない教師、感じの悪い料理のオバサン、典型的な手に負えない金持ちボンクラと目に写る印象から、疑似家族の様な生活を送るうちに、それぞれの過去や内面を知ってゆく事で接した側に現われる変化をジックリと腰を据えて活写。その時々に、可笑しみや過去の後悔や、負わされた内心の傷が垣間見えて、一言では言い表し難い人生模様が織り込まれている。

元々、気負った残念な男性像に真骨頂を見せるアレクサンダー・ペイン監督が手掛けて、代表作の「サイドウエイ」で起用したポール・ジアマッティさんとの再タッグであり、見る側の立場からも、彼演じるハナムに肩入れしてしまう。学校の職員女性のクリスマスパーティーに招待されてからの彼の気持ちの浮き沈みだとか、自分の職域を守るべく生徒たちのテストを「辛く」採点してしまって全く手心を加えない融通の無さだとか、彼のやる事なす事と言ったら、全く異議の挟み様が無いほど、彼が見せる中高年クライシスの数々には共感しっぱなしでした。

それゆえに、不出来な生徒に過ぎなかったタリーに、はじめて利かせる「融通」には胸熱くさせられました。

拙文にお付き合い頂き、有難うございました。
シネプラザサントムーン 劇場�Δ砲�

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