小森香子さんご逝去

今夕、詩人会議事務局より小森香子さんのご子息、小森陽一さんの手紙の画像がメールで届いた。

それによると昨日、小森香子さんが入院中の病院にて逝去された（93歳）。二か月前まで元気だったが、肺に水が溜まる症状により入院、この一か月は意識が途切れることも多かったとのこと。葬儀は家族のみにて執り行う。生前貴会議には大変お世話になったことに感謝申し上げ、またいずれ「偲ぶ会」等も行うことになると思うが、その折には貴会議のご協力をお願いしたいとの付言も。

詩人会議が発足したとき彼女は夫の仕事の都合でプラハに在住、創立に加われなかったが帰国したら直ちに参加したいと思っていたとよく語られていたが、その通り実行された。どちらかというと旗幟鮮明な社会派詩人の側面も強く、平和を希求する「青い空は」（詩・小森香子、曲・大西進）は長く広く歌われ続けている。詩人会議の委員長も務められた。私が若い頃には、政治思想と詩の存立基盤をめぐる芸術観の違いから若者層との議論も起きたが、人柄は多くの人に愛されるものだった。視覚障碍者に聴いてもらうのための文学作品の朗読録音は、かなり最近まで続けられていた。

一部論争もあったが、小森さん個人は気さくで優しい方で、若者たちが中心になりやすい詩人会議読者会にも、よく参加されていた。私などは彼女の作品の多くに否定的な感想を言っていたのを思い出す。それでも彼女はいつも笑顔で付き合ってくれた。読者会で米寿のお祝いを行ったのがついこの前のことのように思い出される（5年前の２月）。

私の世代、それよりも若い方々にも親しい方だったのでお知らせします。ご冥福をお祈りします。