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2021年12月20日18:49

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淡谷のり子

NHKFM「歌謡スクランブル」で、淡谷のり子を取り上げていた。
淡谷のり子というと思い出すことがある。
あれは、まだ20代半ばのころだった。
みんな若くて、海のものとも山のものともつかない時代。
肩書で雑誌に載せてもらえるほどの知名度も実力もない。
もちろん、金もない。
しかし、書きたいという意欲はある。
それで、「気球」という同人誌を作っていた。
何か書くためには勉強する。
それが、若い我々にとっては燃料になっていた。

その仲間と、忘年会やろうということになった。
高い店には当然行けないので、池袋東口の清龍という大衆酒場に集まった。
畳の広い部屋があって、何組かのグループが飲んでいた。

メンバーに、二ツ目に昇進して、春風亭愛橋と改名したばかりの落語家がいたので、何かやってくれということになった。
ご本人は洒落のつもりだったのか、「皆さんの芸を見てからやりましょう」と言う。
それで、にわかかくし芸大会になった。
カラオケなんかないので、アカペラで歌ったりしたわけだが、私は、劇団で覚えた歌舞伎の「外郎売」の長台詞(早口言葉)をやった。
芸は身を助けますな。
会の中心メンバーだった松岡さんは、美空ひばりの物まね。
その彼の淡谷のり子の物まねが、すごくマッチしていたのだ。
その他、金色夜叉の熱海の海岸の場をにわか芝居で演じたり、まったく江戸時代の花見のようなノリ。
わぁわぁやっているので、他のお客様から苦情が来るかとヒヤヒヤだったのだが、むしろ他のグループをみんな食ってしまって、「面白い。どんどんやれ」とはやされる始末。
〆は愛橋さんの落語だった。
「いま(みなさんの芸を見て)本気で転職を考えたんですが」というヨイショに始まり、やったのは「元犬」だったのだが、彼の師匠の八代目春風亭小柳枝という人は、落語界でも有名な奇人で、その師匠の話が枕だった。
二つ目とはいえさすがにプロで、話が終わると、他のグループからも拍手が来たが、「一番偉いの誰だ?社長来てるのか?」とか言われたのには参った。
どこかの会社の忘年会だと思われたらしい。
松岡さんは当時、東京大学大学院に在籍、他のメンバーも、東京教育大学の学生だったり、大学の講師だったり。
社会人もいたけど、そんなメンバーじゃないのよね。
しかし、そんな間違いも笑い話になって、あんなに楽しい忘年会は、そのあともついぞ無かった。
淡谷のり子というと、思い出す。

春風亭愛橋さんだが、現在は改名して、瀧川鯉昇という。
彼は、松岡さんと同じ静岡県浜松市出身で、一緒に学習塾をやっていたことがあるのだとか。
ちなみに、私と日本舞踊の先生が同じだった。
私の方が兄弟子(笑)。
でも、私は小学校で辞めてしまって、ほとんど忘れているので、瀧川鯉昇さんとは比べ物にならないのだが。
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