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2021年12月01日23:56

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続・イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの特別授業見てます。

日本出身の女の子
個人的には極端なナショナリズムは世界崩壊につながると考えている。
それが過激なフィクションであっても、多様性という意味では認めるべきだろうか?

答
人間は複雑な生き物で、同時に複数の集団に属し、関係を築いている。
そうした中で人々は、家族・仕事・国・人類・真実・美などに対して同時に忠誠心を持つことができる。
ナショナリズムであれ宗教であれイデオロギーであれ、100%の忠誠心を要求さえしなければ、問題は無い。
問題が生じるのは「一つの事のみに忠誠を尽くせ」という動きが出てきた時だ。
例えば「忠誠を尽くす必要があるのは国家に対してだけだ。だから国家が大勢の人間を殺せと命じたならば殺さねばならない」というような。
「国家が嘘をつけと言えば噓をつく。国家の栄光を讃えるためにのみ芸術を創造しその他の芸術は一切放棄する」そのようなことを求めるのは、ファシズムだ。
ナショナリズムが「国だけでなく他にも忠誠心を持ってよい」とする一方、ファシズムは「大切なのは国家だけ。他は一切重要ではない」とします。
このような極端なものを避け、現実は複雑だ、人は様々な関係性を持ち、複雑なストーリーが必要だと認めることができれば、実行可能な妥協案を見出せるだろう。
忘れてはならないのは、ライバルは決して敵ではないということだ。
対立する相手をひとたび敵や反逆者と見なせば、いずれ内戦や暴力につながってしまう。
敵との戦いにおいては、最終的に民主的な決定を受け入れられないからだ。
リアルな戦争を、民主的な選挙で終結させることはできない。
アラブ人とイスラエル人全員に投票させても、パレスチナ紛争は解決できないのだ。
「なぜ自分を憎んでいる敵の意見を受け入れなければならないのか」
そうなると、秩序は完全に崩壊する。
この状況を回避したければ、合意できる共通点を懸命に見い出さなければならない。

科学革命(16世紀)
階級・格差社会を生み出した人類は、16世紀に入って「自然界」をも根本から覆しかねない力を手にした。
科学技術の進歩により、人類は地球を支配するまでの存在になった。
しかし、人類はそれゆえに、あまりに傲慢になっているのではないか?

質問
あなたは人類を「大陸をまたにかける連続殺人犯」と表現している。
人類は裁きにかけられるか?
救済策はあるか?

答
まず我々は、自らの計り知れない力と、それゆえの責任を自覚すべきだ。
地球上の動物と比べ、我々は今や「神」だ。
神という感覚は無いかもしれないが、他の動物との比較において、我々は「神」なのだ。
他の動物の未来は、完全に我々の支配下にある。
我々の許可があってこそ、他の動物は存在できる。
もし明日の朝、世界中のライオンを殺そうと思い立ったとしても、わずか二日で可能だろう。
動物の肉体を操作することも可能だ。
特に家畜は、バイオ技術で肉体改造してきた。
そうした、神のような力を持っていることを、自覚するべきだ。
なぜなら、これまで神としてあまりに無責任だったからだ。
生態系の劣化ないし破壊は今、至る所で起きている。
将来のことではない。

生態系の破壊は、エボラ出血熱や新型インフルエンザなどの感染症を生み出していると指摘されている。
新型コロナも環境破壊の中で起きた、野生動物と人間との接触に起因すると言われる。
今、生物の生息域全体が破壊されつつあり、さまざまな種が驚くべき速さで消滅している、
文明の基盤が危機にさらされている。
時間はあまり残されていない。
数十年という単位だ。
あなた方の世代が生きている間に、限界を超えてしまうかもしれない。
一部の人間はどうにか生き延びるだろう。
しかし、迅速に行動しなければ、動物も多くの人々も巨大な苦しみに襲われるかもしれない。

ボリビア人の青年
私はこの本を読んで、人類が2100年までに消滅しているかもしれないという考えを知った。
興味深いと同時に、不安だ。
私が生きている間に自分自身、もしくは人類が滅びてしまうと想像するのは難しいのだが、なぜそのように主張するか知りたい。

答
重要なのは、私が考える消滅は、必ずしも絶滅ではないということだ。
100年〜200年の間にホモ・サピエンスという種が消滅すると考えている。
それは根本的に違う2つの仕方で起こる可能性がある。

1つは、我々自らが自らを絶滅させてしまうこと。
今後数十年の間に生態系の危機が加速し、政治危機が引き起こされて、核兵器などの破壊的な兵器が使われるという結末。
暴力的で完膚なきまでの破壊がありうる。
しかし、今のところその可能性は低いだろう。

ありうるのは、新たな科学技術を使って、人類が自らをアップグレードさせ、何か別のものへと変化させることだ。
種の絶滅は消滅ではなく、何か別のものへの進化ということもありうるのだ。
100万年前には、ホモ・サピエンスとは異なる人類の種がいくつも存在したが、別のものに進化して消えた。
そうしたことが、我々にも起こりえる。
かつてより、はるかに速いスピードで起こるだろう。
自然淘汰による進化には何十万年という歳月がかかるが、生命を設計する技術によって、数十年で起こる可能性がある。
人工知能や生物工学を用いれば、2100年か2200年までに我々は、肉体と頭脳を改造する、巨大な力を持つようになるだろう。
我々の子孫は、全く違う生き物になっているかもしれない。
自然淘汰という進化の原則は、次第に生命工学に取って代わられつつある。
雲の上の神によって行われるのではなく、人類の技術が推進力になりつつある。
プロセスは全く異なる。
これは、生命40億年の歴史における最大の革命になるだろう。
我々の生きている間に起きるかもしれない。
重要なのは、我々が今まさに肉体や頭脳や精神を改変するテクノロジーを手に入れつつあると認識することだ。
それはとてつもない力だ。
人がそれを利用しないとは考えられない。
禁止もしないだろう。
人類は、外見も思考も、我々とは違うものになる。

質問者
自分は、地球上から種が絶滅すると捉えていたので、違う視点が聞けて勉強になった。

ハラり
とても重要なのは、それでも我々は動物だということだ。
さっき我々は神だと言ったが、同時に生態系の一部でもある。
だから、二つの観点を同時に持たなければならない。
力を持つという意味では神であり、大きな責任を負う必要がある。
しかし、動物としては生態系に完全に結びついている。

アフガニスタンからの留学生の女の子。
自分たちは学校へ行くのさえ命がけだ。
パンデミックのような世界的な問題が起きているときに、一番被害を受けているのは発展途上国だろう。
世界は発展途上国を助ける責任がどの程度あると思うか?
それぞれの国が個別に対処すべきだと思うか?

答
新型コロナであれ気候変動であれ、我々は団結する必要がある。
社会で最も弱い立場にある人を守るための地球規模の支援が必要だ。
発展途上国が自分の力だけで問題を解決することはできない。
この先、我々はどこに向かうのか誰にもわからない。
それは、近い将来起こることが、歴史上初めてのことだからだ。
若い人には困難な時代だと思う。
年上の知恵があてにできないからだ。
逃げているわけで、「大人になればわかる」ということでもない。
私にも、本当に将来がわからないのだ。
だから、我々にはあなたたちの助けが必要だ。
誰かが教えてくれるということは、もう無い。
これはみんなのプロジェクトだ。
若者も年寄りも、みんなが協力して、人類共通の問題を解決していくことを私は望む。

タジキスタンの女の子の感想

宗教や信仰、精神性の部分でも、我々は、それらは確定されたもので決して変えられないと考えがちだが、この対話を通して、それらが思うように具体化できるもので時間と共に変化しうるものだと気づかされた。
それに、一個人として私にも世界を形作る力があることを、そして未来においても、世界に前向きな変化をもたらすこともできるのだと気づいた。

質問者は、軽井沢のインターナショナルスクールISAKの生徒たちでした。
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