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2021年03月23日10:00

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思へば遠くへ11

私は広島県西部のち〜〜さな町で生まれ、18歳までそこで育った。
私が二十歳すぎた頃、市政が制定され、それまで「町」であったそこは「市」となった。
工場にへばりつくやうに展開されてゐた町は、割と洗練された文化的な住宅街として生まれ変わったやうだ。

まぁ色々な理由で、あまり故郷を近くに望まぬ人生だったので、はっきり言って疎遠な場所ではある。成人式のために一時帰省した時も『出るべきではなかった』と思ふほどに。

引っ越しが多い人生の上に、もともと郷愁をあまり持たぬタイプの人間らしく、行く先々で根を下ろし、その場所に馴染む癖があり、そんな性分だから、付き合いのある人ともすぐに疎遠になる。

思へば、高校から地場ではない別の場所に通い、まぁあまり良いこともなかった中学時代の知人を故意に遠ざけた、といふ感もあり、それ以降さういふスタンスは私のデフォルトのやうになってしまった。
最近になって、古い友とほんの少し交流があったりもするが、づっとこの町に居続けたものと、あちこちを流浪した私の「つながり感」にはやはり雲泥の差がある。
憶えてない人の事の方が多い。

嗚呼、故郷はかくも遠くになりにけり。


ところがこのところ、この生まれ故郷によく立ち寄ってゐる。
まぁ実家は今もそこにあるのだから、そんなもんかもしれないが、良くも悪くも変わり果てた我が故郷は、新しく訪れる旅先のやうで、それなりに趣を感じたりもする。

実家の建て替えがあった時、相続する権利を放棄したので、年老いても実家に戻ることはあるまい、と思ふが、今後もしこの町のどっかに住むことになっても、それはそれでいいかな、といふ気がし始めてゐる。

聞くところによれば、ちゃんと『朝まで飲める店』もいくつかあるやうだ。
へ〜〜〜〜。

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