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2021年03月09日09:46

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茫漠と10

ここ数十年でニッチを激変された食べ物、と云へば「駅弁」と「牛丼」だと思ふ。

駅弁、なんぞ、一昔前は「高くてマズイ食べ物」の代表だった。
移動する電車の中で、他に選択肢がなかったとは云へ、こげなペラッペラのサンドイッチや適当な幕内弁当に、何が悲しぅて¥600も払わにゃならんのだ。と思ってゐた。

牛丼、にしても、そもそもはそのメニュウの存在すら曖昧だった所に「吉野家」が出て来た。当初は行列ができたのだ。吉野家に!。
んで、さうまでして買って帰った牛丼は、汁が脂っこくて肉はスカスカで、これはまぁ¥300だらうよ、といふ印象だった。案の定、東京以外の吉野家チェーンは ほどなく撤退を余儀なくされ、長らく吉野家は「東京にしか存在せぬ店」であったのだ。

それがどうだ!

今や各地で「駅弁フェア」なるイベントまで催され、吉野家はフォロワーまで生み出し、今や世界展開である。

駅弁も牛丼も、たしかに美味しくなった。
「牛丼弁当」といふハイブリッドものなんぞ、「加熱機能」まで付いてやがりさえする。

こはひとえに「食の多様化」といふものなのだ、と思ふ。
選択肢が増える=分母が上がる、と云ふことは、まぁ質の向上にも繋がるのだ。
「量より質」と云ひはするが、実際は「量が質を生む」のである。

私は自分で調理もするし、美味しい食べ物は好きに違いないのだが、美味い食べ物を求めて・・といふやうな姿勢は持たない。嫌いな食べ物はないし、いわゆる『なんでも喰ふ』昭和男の典型だ。ゲテモノも行ける。

だが、日々所望するのは、一つか二つのメニューのバリエーションがあらば良い、と思ふ。
そもそも、外食しても、だいたいいつも同じものしか頼まない。

友に「ちったぁ冒険せよ」と云はれるが、いやいや・・。

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