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2021年02月06日12:30

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肝に銘じて 「沖縄の新聞は本当に偏向しているのか」 安田浩一

保守系論壇、ネット言論、政治家から
「偏っている」と批判される
「琉球新報」や「沖縄タイムス」。

「結局基地で食べているのに、
基地批判のことばかり書いてる」
「反対運動してる人は地元民ではなく
他からきた左翼系ばかり」、
なかには「この沖縄2紙はつぶさないと
いけない」という暴論まで出る始末。

著者はこういった風潮がなんなのか、
2紙の記者を直接取材し、考察していく。
読んでいくうちに、いかに自分が基地の
ことを知らなかったことを思い知らされる。
それなりに沖縄の歴史は押さえてきたつもり
だったが、やっぱり真実は現場にあることを実感。

例えば米軍が接収したために、
土地を奪われた老人がいる。
先祖代々の墓は基地の中にある。
だが自由に墓参りすることもできない。
いちいち米軍に許可を出さなければ
ならない。
許可は一週間後にしかおりない。

基地の近くに住む子どもが最初に覚えた言葉は
「怖い、怖い」だった。
頭上を飛ぶF15戦闘機の爆音に驚き、パニック
状態になったという。

沖縄は基地がなければやっていけない、という
論調が今でもある。
けれど沖縄県の調べによると、基地の依存度は
約5%。
復帰直後の1972年は15.5%だったが、
いまやその数字は大幅に減っている。

沖縄観光コンベンションビューローの会長はいう。
「沖縄経済の市場規模は年間約4兆円。そのうち、
基地関連収入は約2億円です。それは沖縄全体
から見れば”食っていける”だけの規模もない。
さらに観光産業から見れば、非常に魅力的な
場所に基地が集中している。
基地の返還が進めば、沖縄は大きなビジネス
チャンスをつかむことができる」

コロナ禍の今はのぞくとして、
沖縄の観光客は増え続けている。
当然、観光客は基地など見に来ない。
著者は記す。

つまり沖縄の基地は利益にならない。
基地で「食っている」のではなく、
基地は「食えない」。
沖縄が訴えているのは、生きるための、
生き続けるための「反基地」なのである。

もっと知ってほしい事実がこの本には
たくさん書かれている。
興味を持った方はぜひ一読を。



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