生まれ出ずる脳5

目下の悩みは、5月以来続いてゐる難聴と耳鳴りである。

一ヶ月の通院治療をしたにも関わらず、あまり劇的な改善をせぬまま、今に至ってゐる。
ストレス、だといふ。
「貴様のやうな呑気な暮らしをしてゐて何がストレスか？！」
と云はれさうだが、私にもストレスはないことはない。

そもそもストレスに、精神より先に身体が気づくタイプで、遥か太古には、好きな女の子にコクるかどうか悩んでゐた時、初めてミオキミア、といふやつを経験した。まぶたがヒクヒクと痙攣し、ウザいことこの上ない。
コクった瞬間にこれが治り（まぁフラれたのだが）、あぁ原因はこれだったのか、と思った。

そのやうに思ふと、今回の難聴や耳鳴りも、ライヴができない、といふストレスから来るもの、であらうな、と思ふ。
何よりもライヴを中心とした生活を優先する、といふ指針に何年もかけて生活を変えてきて、そのやうに生きてきた果てに、自らの意思とは関係なくライヴがやれない日々、が来るなんぞ思ってもみなかった。

いや、思ふべきだったのかもしれない。
だが、思ったところで、なにができただらうか？。

幸い「配信」といふツールが、僅かながら希望の光を灯してくれてはゐる。
これとて、望んだ形では全然ないのだが、それでも、世界のどこかでライヴを聞いて、見てくれてゐる人がゐる、といふのは、巨大な心の支えとなる。

ちゃんと生きねばならない。