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2021年01月10日13:34

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天性の女優「RURIKO」 林真理子

他を圧倒するほどの美しさを
持った少女、浅井信子が
浅丘ルリ子となり、
華やかな芸能界を駆けめぐる。
スターがスタートして輝いて
いた頃の、青春と喝采を描いた
物語だ。
超面白い。

どこまでが本当の話かはわからないが、
石原裕次郎への熱い想い、
小林旭、蔵原監督、石坂浩二などの
恋遍歴、美空ひばりとの友情と
めくるめく交友録も面白いが、
一番印象に残ったのは、浅丘ルリ子と
言う人の、淡々とした生き方。
ものに固執せず、複雑な人間関係を嫌い、
小難しい話にも興味を示さず、与えられた役を
きちんとこなしていく、その淡麗さ。

美空ひばりが、
「ママが死んだら、今度こそ正真正銘のひとり
ぼっちになる」と泣きながら電話してきたとき、
ルリ子は言う。

「馬鹿馬鹿しい。人間誰だって死んでいくときは
ひとりじゃないの。和江ちゃん、そんな先のこと
考えたって仕方ないわよ。
今は目の前の仕事をとりあえず一生懸命やって、
今日はいい1日だったなぁと思って眠る、
幸せになりたいのならそうするしかないわよ」

この台詞を聞いて、
わぁー、オレと同じだー、と僕は喜び
庭駆けまわる。

さらに林センセーのこの文章。

「仕方ない」
それは信子(本名)の口癖になっている言葉だ。
決して諦めたり、投げやりになったりするのではない。
「仕方ない」
自分の負の部分は出来るだけ早く忘れようとする。
そして、陽の当たるほうに顔を向け、明日のこと
だけを考える。

ここも全く同じだー、と僕はこたつで丸くなる。

天性の女優でありながら、淡々と運命を受け入れ
軽やかに生きる。
RURIKO、かっこいいー!
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