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2020年03月09日10:27

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風吹きすさぶmixi日記13

「滅亡もの」の小説や映画が好きだ。

「地球最後の日」「日本沈没」「渚にて」「復活の日」・・・
あぁ、今思へばこれ全部映画化されてゐるな。
どっちがファースト・コンタクトだったのだらう?。

その中で「トリフィド時代」といふジョン・ウィンダムの古典が好きだった。
初めは子供向けにソフトに翻訳されたもの、やがて忠実に訳されたもの、と順を追って読んで行った。

ザっと要約すると、ある夜 鮮やかな流星雨が世界中を魅了した。だが、その翌日にはそれを見た全ての人々が全盲になってゐた。
主人公はちょっとした事故のためその流星雨を見ておらず、失明を免れてゐたが 同じやうに何らかの理由で失明を免れた者もゐた。
謎の疫病まで発生し、混乱する社会に追い討ちをかけるやうに、猛毒の針と知力、そしてなんと「歩行能力」を持つ巨大な植物「トリフィド」が現れ、光を失った人類を狩り立ててゆく。
絶望的な世界で、主人公は愛する人を探し、生存者と協力しながら、未来を模索するのだ。

まぁこんなかんぢ。

幼いが賢い少女が、自らの判断のみで生き延びてゐた描写や、生きた人間のいなくなったロンドンの街、荒廃したサセックスや田舎町、もの言はぬ殺人植物の恐怖、そして生存者同士で やはり繰り広げられる欲望の衝突・・・。
その混乱の中で、希望を失わず、旅を続ける主人公。
そして、最後に主人公の「憶測」と云ふ形で語られる、すべての顛末の恐ろしさ。

少年時代の私に、割と大切な事を仕込んでくれた書である、とも云へる。


いや、なんか、コロナに右往左往する社会を見て、この話を思ひ出したのだ。

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