今年最後の日となった。恒例により「2019年 私の五大ニュース」を。
�〇軆検悗靴�り紐のしまい方』に三好達治賞をいただいた。14人の『冊』同人のうち9人が大阪の贈呈式に来てくれた。感謝あるのみ。同じ年に同人仲間の柴田三吉さんが小熊秀雄賞を受賞されたので『冊』には盆と正月が一緒にやってきたような春となった。
�⊂綉�に伴う諸々。柴田三吉さんと詩人会議の平和集会で公開対談「時代と詩」を行った。いつも思っていることを素直に出せて私には充実した楽しい企画となった。賞金を理由にカミさんを説得、詩人会議の「夏の詩の学校」（木島平）にも行けた（来るなら話せとなり小講演「連れ合いへの愛を書く勇気」を行う）。選考委員のお一人である池井昌樹さんの手書き・手作り、限定百部の詩誌『森羅』をいただくようになり20号にはゲストで詩を書かせていただいたのは特筆すべきうれしいことだった。詩誌『ガーネット』や『びーぐる』に初めて執筆した（書評、コラム）。ネットでは「詩歌梁山泊」というところに依頼され詩を書いた。『現代詩手帖』年鑑の「2019代表詩選」に「お菓子の缶」（『冊』59号）が収録された。
��思潮社現代詩文庫から待望の『松下育男詩集』が刊行された。初期の各詩集は入手が極めて困難でもあり、歓迎されるのではないか。解説に私が40年ほど前に書いた「とばない鶴」が収録されている。彼がH氏賞を受賞したとき、「『冊』で特集してよ」というので特集を組んだが、その時書いたものである。長いこと生きていると過去が生き返る時がある。
�ぃ押腺海�月に一回、「糖尿外来」という定期健診を受けているが、ある日血圧が高いと指摘され、自宅で血圧を計り薬を飲まされることになった。詩を書いた後やギリシャ語を読んだ後は必ず高くなっている。なので『澪』の編集後記に書いた。「見よ、詩と哲学に命がけというのは嘘ではなかったのだ」と。
�ヌ�10年ほど参加していた英語詩を読む会「ペンギンクラブ」をロバート･ブライの詩集「Morning Poems」の読了を機に退会した。もともと中上哲夫さんが茂本和宏さんや高田真さん、伊東唯さんたちと始めた会で、私は後から誘われたのだが、中上さんが研究・連載で忙しくなり抜け、同時に創始メンバーの多くが抜けた。その時辞めてもよかったのだが続行したい人たちもいて、何となく7年間続けてきてしまった。ここへ来て何かが切れたので離脱することとした。結果的に会そのものが休止に入ったとのことなので申し訳ないとは思うが。80歳くらいまでに『形而上学』を読み終わってから死ぬべくひとり籠ってギリシャ語に集中したい。
欄外に書くのは申し訳ないが、『冊』の仲間が自動車事故に遭ったり、自転車で大怪我をされたり、会社が火事になったり、諸事情により会社を退職されたりと気がかりなことが多かった。その人たちがめげることなく生き、詩を書かれているのを間近に見ていることが私に不思議な力を与えてくれている。旧同人の先輩が亡くなった。『冊』に関わった人では初めての物故者である。『冊』通信にも書いたが、その日、死の向こう側と接岸されたと感じた。2019年は私にとってそういう年だった。元号に反対の私だがのちの人が令和の最初の年、と呼ぶのを阻止することはできない。新天皇即位の日には礼砲をぶっ放し時の首相が万歳三唱をした。
ログインしてコメントを確認・投稿する