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2019年10月28日19:01

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八千草薫という象徴

PCでブラウザを開いたら八千草薫逝去の報に襲われた。

若い頃から世界で一番きれいなのは八千草薫で、二番目がイングリッド・バーグマンだと言い続けてきたので、一ファンとしてご冥福を祈ると同時に感謝申し上げる。どんなにおばあちゃんになっても上品で可愛さを失わなかった。

私が中学校の時、女子に人気の先生が「何でも好きなことを質問していい」という時間に好きなスター女性は?と訊かれて「若い頃の八千草薫」と答えた。私は彼女を知らなかったが、その後だいぶ経ってから知り、こんなにきれいなのにあの教師は可愛さが失せたと言ったのかと驚いた。そんな若い頃のことは知らないが、知っていらいとにかく美しい人だと思った。

長い人生を生きてくれば、美人女優にはいくらでも出会う。それなのになぜ彼女は別格なのか。それは多分高校生の頃だと思うが、テレビドラマで彼女が売れない時代の作家(久米正雄だったと思う)の妻を演じていたからだ。愚かと言われるだろうが、私は作家というものはこんなに不細工な男でも、あんなにきれいな人が愛してくれるのだと思い込んだのだ。私はその頃、将来詩人と言われることを夢見ていたので、健気に夫に尽くす八千草薫が女神のように思えた。そしてその愚かさは生涯を通じて消えることがなかった(まだ終わっていないが)。多分、彼女を讃えることは私の愚かさを慰撫することであったのだと思う。

したがって、これからどんなに美しい女優が現れても彼女を超えることはできない。また彼女の死で落ち込むこともない。すでに生死を超えた存在であったので。私の女神よ、とわに安らかなれ。



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