散歩が好きだ。
アレコレ考へ、思ひを巡らせながら、2〜3時間はへーきで歩き続けてゐる。
歩くのが好きなのだ。
健脚である、とも云へるだらう。
目に映る全てを興味深く眺めながら、歩く。
同じ道を歩いても、日によって新しい発見があったりす。
まったく飽きない。
興味深い建物や区画があり、人の営みの痕跡がある。
どんな人が住み、どんな暮らしをしてゐるのか、想像を巡らせる。
4階建くらいのアパートの屋上に、ビアガーデンにあるやうな提灯が並んでゐる。
あぁ、あそこの住人は粋な人だ、と思ふ。
ちーさな庭に、家屋をも侵食する勢いで植物が植わってゐる。
手入れが大変さうだ。
崩れかけてゐるやうな古い建屋に、明らかにまだ新しい暮らしの痕跡がある。
どんな人が住んでゐるのか?
山や川、海や空を眺めるよりも、さういふ「他人の営み」を眺めるのが好きなやうだ。
昨今、あまりかういふ事を仔細にしてゐると「不審者」と見なされて通報されてしまうやもしれぬ。
厄介な時代だ。
幸いまだその経験はないが、注意するに越したことはない。
なるべく怪しくないやうに、いかにも「ただ世を謳歌してゐる中年が散歩してますぜ」といふオーラを出しながら歩かねばならぬ。
けっこう難しい。
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