良くも悪くも、ニンゲンといふは付き合う相手によって、色々変わる。
結婚してカドが取れてすっかり穏やかになったり、逆に 恋人が出来て妙にヒステリックになってしまったりする。
気弱な少年だったのに、悪い仲間と付き合うやうになって、結局は刑務所暮らし、なんてのも、あながち物語の中の話ではない。
他者による影響、は大きいが絶対ではない。
泥の中に蓮の花が咲くやうに、どのやうな劣悪な環境からでも善も育ち、またどんな恵まれた環境からでも、悪は育つ。
良き影響を与える人々と付き合うがよろしい。
良き影響を与え合うが、ニンゲンのあるべき姿。
仕事柄、若い人と接することが多い。
才能溢れ、好奇心に満ち、努力を惜しまぬ、見事な「原石」が、つまらぬ人間関係の結果、音楽そのものすら否定するに至った例を、いくつも見てきた。
「女房が良い顔をせぬから」と現場を離れていったバンドマン。
「彼氏が許してくれぬから」と歌を辞めてしまった歌うたい。
そんな事になるくらいなら、何一つしてやれぬ身ではあっても、いつまでもワシを慕っておれ、と思はずにはおれぬ。
それもまたエゴだと、ワシはじゅうじゅう知ってゐる。
彼らの未来に幸あれ。
そしてワシの残り少ない未来にも
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