mixiユーザー(id:1041518)

2018年08月31日11:40

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あと一か月なので「6分の5、青い。」

朝ドラの評論家ではないが、「半分、青い。」があと一か月なのでひと言。

最初、耳の半分で雨が降っている、とかいうスタートで面白そうだと思ったが、ヒロインが漫画家を諦めたあたりからつまらなくなり、展開は速いがリアリティがないというのか、主人公に気持ち的に肩入れできていない。近頃クランクアップしたらしいが、異例の報道陣シャットアウトなどが巷で話題になっている。曰く<最後の最後でサプライズか?>など。だが、内容は分からないにせよ、みんなが期待して待っていたら、サプライズとは呼ばないのでは。

私が一番不自然と思ったのは律(佐藤健)が虫みたいな名の駅で思いついたようにプロポーズすると、鈴愛(永野芽郁)が「ごめん、無理」と言って、話が終わるシーン。実は愛していたというのが後半の主旋律である。二人とも結婚するが鈴愛は離婚し(この理由も不自然)、律は愛のない夫婦関係となっている。そこでサプライズとか言われても、どこがサプライズなのかわからない。まあ結論は分からないので決め付けはできないが、みんなの期待通りになったら、サプライズどころかできレースもいいところではないか。

昔のすれ違いドラマの現代の若者言葉(表現)版とでもいえばよいのであろうか。それはそれで意味のある視点かもしれないが、私などはどう考えてもリアリティがなさすぎるような気がする。結婚を申し込まれて「好きだけど、居住環境その他の諸事情もあるし、今直ちにというのは無理」という場合、それを説明もせず、上記二言で去るということはありえるだろうか。

一方で漫画家の秋風羽織(豊川悦司)や律の父と母(谷原章介、原田智代)など周囲はとても魅力的なキャラクターで演技もすばらしい。尋常でない才能を持つが変わり者の漫画家は、しかし本質的に人間に対する深い愛情と信頼に生きている。そこへ才能のある若者たちが乱入してくる。そして全員去っていく。彼の孤独はどんな形になって行ったのだろうか。それは描かれていない。町の写真館を経営する律の父母は優雅で趣のある生活をしている。それはどこか現実離れしたモノクロ写真の世界のようだが、美しくて人を惹きつける。母の最後の日々には言葉にしない悲しみが流れていて、その繊細さが表現されるひとつひとつの細部が圧巻だった。原田とは対照的な役を振られた鈴愛の母、松雪泰子も好演していたと思う。祖父役の中村雅俊はギターを持ち出してきて消え入りそうな声で歌うのだった。「人はみな〜ひとりでは生きていけないものだから〜」。若い頃、大流行したが、生きることをこのように単純に言うこともできるのだと思い、歌にはかなわないなぁと感じたのを思い出した。

そんなこんなで、あと一ヶ月、惰性で観ようと思う。ストーリーと鈴愛の成功とやらには何の期待もしていないが、自分のことをわかっているのかどうかもわからない律がどんなふうに自分を見つめて行動するのかは、世の女子たちと一緒にハラハラしたい。

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