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2018年05月14日21:34

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生きてるっていってみろ

映画を見た。

SF映画だ。
火星をテラフォーミングする話。その先発隊としてたった一人で火星に向かう男の話。
よくある話なのだが、「水炉」と言って岩石から水を生み出す装置を積んだ宇宙船で不毛の地を人間が住める環境に変えるという・・・
ところが、この「水炉」火星につく前に壊れてしまう。

当然、地球のグランドコントロールはミッション失敗を告げ、男に地球に引き返すように伝える・・・ところが何を思ったか・・・引き返すことなく火星まで行ってしまう。

なんとも変な映画だなあ・・・と思ったのだけど、最後に火星の上を歩く男の言葉が凄く面白かった。

「オレは生き続けるかもしれない・・・大方の予想通り、火星には生命は無かった。そして死もなかった。」

当たり前と言えば当たり前なんだけど・・・なるほどなあと感じたのだ

生命がある場所にしか死は存在しないのだ

青森市から陸奥湾に沿って国道をどんどん進むと・・・
やがて野辺地という街につく・・・
ずっとマサカリのような下北半島をずっと上がっていくとむつ市につく。

まあ、結構その道中も大変だったりドラマもあるのだけれどその辺りはまた別な機会に

むつ市の山を登っていくとちょっと開けた場所・・・
そこが恐山である。

まったく波の立たない湖がある・・・
恐山、恐れるに足らず！！
と言いたい事はそういう事ではなくて・・・
本当に怖くないのだ

それはどういう事か？というと生命感が希薄なのだ。
生命感が希薄だという事は、映画の話じゃないが・・・死の香りも希薄なのだ。

恐山周辺には硫黄の匂いが立ち込め、動植物がほとんどいないのだ。
生命の影が無い。

例えば、そこが東北の最大の霊場だとして沢山の霊が集まって来る場所だとしても・・・
それは過去に違うどこかで死んだ霊であり・・・現に僕がイタコに頼んでよんだジョン・レノンも津軽弁だった。
日常会話くらいなら英語も喋れるし、ジョンのリヴァプール訛りだってコックニー訛りでもこちとら対応できるつもりだったのだが・・・う～～～む(￣ー￣)

例えば、恐山で足滑らせて谷に落ちて死んだなんて話聞いたことないし・・・
別に恐山は自殺の名所でもない。

普通に都市の生活の方が死の香りに満ちている。
ガードレールに花が添えてあったり、路地にチョークの人型があったり・・・
電車の中で人身事故のアナウンスがあったり・・・

話はちょっと変わるのだけど・・・ザクを育てている。
育てているというか、雨曝しにしてボロボロに劣化させているのであるが・・・

劣化すればするほどリアルになる。
死に近づくからだと思う。

それが生きるという事なんじゃないか？と思う。
エントロピーの増大に逆らいながら・・・ボロボロになりながら、自然の摂理に抗いながら朽ちてゆく。

ちなみにこの岩に見立てた部分は牡蠣の貝殻だ。
これは普通の岩ではスケールが合わないのだ

複雑さが釣り合ってないのだ。

これは生命であった牡蠣が、そのスケールでめい一杯生き切った結果としての造形物である。
いのちの抜け殻なのだであり、この不細工で奇妙な貝殻は命懸けの造形なのだ。

静寂の廃墟の中で突然生命に出会うとドキッとする。