その言葉も、それにまつわる行為も、全然好きではないが「断捨離」といふものがある。
不要なものをどんどん捨てて行く、不要なものは持たない、といふ もとはヨガの教えからくるもので、要するに「もったいない」といふ概念の真逆をゆく志向のことだ。
ワシはもともと異常に物持ちが良い人間で、「もったいない」といふ思ひの権化、といっても良いかもしれぬ。
とにかく、モノを捨てぬ。
中学校の時に使い始めたシャーペンを未だ使ってる、なんて当たり前。
そもそも一つの楽器をづっと使い続ける、といふ性格が全てを物語ってゐる。
しかもそれらは、ワシの基本概念からワシの身の回りに集まって来たものなので、完全にワシに特化したもの・・・ワシ以外のたれにも必要のないものばかりで、たれかに譲る、とかいふ事もできぬ。
昨今の、全ての物事が次から次へとヴァージョンアップされる、といふ概念には全くついて行けぬし、行く気もない。スマホ、のたぐいを持たぬのはそのせいもある。
・・・だがしかし、人生も半世紀を越え、さすがに身に余るものがしんどい気はして来た。
ヴァージョンアップする人生を受け入れる訳ではなく、まぁいらんものを捨ててゆこう、と思ひ始めたのだ。
まづは5000枚以上あるCDや1000冊以上ある本。
これらは最後にしやう。
紙切れ。税務署やら役所やら銀行やら取引先から送られてくる、有象無象の紙切れ。
譜面。もぅ10年以上使わぬ譜面。
聴く機械が存在しなくなったMDのディスク。
パソコンのこまごましたリネンのナニか。
こまごましたプラッチックのナニか。
ねぢ。
掘り出せば出すほど、こまごましたナニか、は無尽蔵に出てくる。
選別してゐるだけでイライラしてきたので、とりあへずやめた。
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