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2018年04月05日15:23

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現代詩花椿賞が終了

昨日の新聞に資生堂の現代詩花椿賞が終了、という記事が載っていた。
たまたま昨年は井坂洋子さんが受賞され、案内状をいただいたので授賞式に出席したが、私にとってはこれが最初で最後となった。

日本では詩の団体や有名詩人の出身自治体などが詩人賞を出すというのが主流で、企業がスポンサーというのは珍しい。化粧品メーカーのイメージ戦略なのだろうが、それなりに出費はかさむし、太っ腹なことだと思っていた(昨年が第35回)。終了の理由はわからないが、出費や手間の割に効果が得られないとの判断なのだろう。確かに詩は美を追求する化粧品のイメージアップには相性のよい文学ジャンルであるが、詩の読者層は少ないし、広告効果は予想していたより少ないのではないか。それでも長期にわたり継続してきて詩賞の権威の一つに数えられるようになったのだから、よく頑張ったというべきだろう(歴代の受賞者の顔ぶれはすごい)。

天下の資生堂ですらこうなのだから、マイナーな詩の賞はたいへんである。作られては消えていく賞の歴史である。最近では「作られる」がなくなっているようだが。かつては一定の基金があればその利子で運営ができたが、金利が下がった現在ではその方式は難しくなった。詩人会議が主催している壺井繁治賞は他賞と比べればもともと賞金も少額だが、それすらも厳しくなって、賞の廃止か、賞金なしにするか、が数年前に議論された。存続を希望する人たちが多く、賞であるからには賞金を出そうというところから、詩人たちの継続的なカンパ(私も毎年拠出している)によって今日に至っている。ちなみに今年度の授賞作は勝嶋啓太詩集『今夜はいつもよりも星が多いみたいだ』(コールサック社)である。『詩人会議』6月号に発表される。

ところで、私が数日前に書き、「今月の詩」にアップした「ガシャン」(http://kamitelyric.web.fc2.com/month-poem-latest.html)は世界的化粧品メーカーから依頼されて女性として詩を書いた、という夢の話である。その夢の中では私の詩が世界中の掲示板に映るのである(作者名は出ない)。無意識下の願望が書かせたのであろうか。と思っていたところへ花椿賞の終了のニュースであった。夢の中とはいえ、私のようなへっぽこ詩人に詩を依頼したのがまずかったのだ、と炎上する前に言っておく。私が詩を依頼された化粧品メーカーは資生堂ではない。シャンプーだって「TSUBAKI」なんか使ってない。
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