mixiユーザー(id:5919811)

2017年07月05日20:44

355 view

個人所蔵の美術品

フォト


出かけておりました。
行った先は、築地市場の仲卸を長年やっていて、昨年10月に店を閉めた方のご自宅です。
結局、こういった規模の業者がついてこれないような構図の豊洲移転だったんですよね。
豊洲の、地下が空洞になったのが問題になっていましたが、埋め立てても有害物質が上昇してきてしまうというのが当初の問題でした。
それで、床を浮かせるような構造にしたらというような話が出ていました。
埋め立てても汚染物質が上がってきてしまうなら、中空にしておいたほうがいいのかもしれませんが、どの道、中小の仲卸や小売店が生き残れないような構造になるので、もう、どっちでもいいわ というところかな。

彼は、元々は地主の長男で、世が世であれば働かなくても食っていけるはずだったのが、家が傾き始めたころに父親が戦死して、小学校に弁当も持って行けないような少年時代になり、虐めにもあったようです。
高校を何とか卒業して小僧に出た。
徒弟制度の残った時代で、10時過ぎまで働かされて3時には起こされる。
2の日しか休みが無く、その休みも洗濯などで半日終わってしまう。
もらえるのは賃金ではなく小遣い銭。
それでも、飯を食わして寝る場所を与えているのだから感謝しろというような雇い主。
今のブラック企業が、模範企業に見えるような環境だ。
そんな時代でも、美術品が好きで、(お金が無いので)1時間くらいかけて、上野や池袋など、歩いて美術品を見に行っていた。
美術教育を受けたわけではなくとも、年季が養った目利きは 確かなようだ。

ちょっと所蔵品を見せてもらったのだが、美術館で見かけたことのないようなものだった。
彼のおじさんがもっとすごいコレクターで、国宝が4〜5点あったらしい。
そのうちの1点は、相続税の物納で、いま九州国立博物館にあるとのこと。
徽宗皇帝の絵画も持っていて、「絵の具が違うんだよね」と話していた。

刀剣を集めていた時代もあったそうだが、「30本も手入れしたら、クタクタになっちゃって」やめたらしい。
欠けを埋める研ぎ方があるなど、興味深い話も聞いた。
気になっている刀鍛冶の清麻呂について聞いたら、本も随分あったのだが、みんな手放してしまったとのこと。
残念ながらだが、本が欲しいのではなく読めればいいのだから、図書館で探してみるしかないな。

江戸刊本らしい湖月抄の話をしきりとするので、欲しくないかとの打診かと思ったのだが、源氏物語って、基本的に興味ないんですよね。
謡本に興味がある人を知らないかとも聞いてきたのだが、鈍翁の時代ならいざ知らず、今時 能を趣味にしている実業家も少ないだろう。
神道関係の、未刊の資料なら喜んでいただくのだが(笑)

というわけで、4時間近くがアッという間でした。
12 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する