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2017年05月18日16:02

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ドラマ鑑賞後に本の引越し

我が家ではテレビドラマは録画で観ることが多く、私とカミさんだけが観るものは消化が遅くなりがちだ。で、だいぶ前に放送された『刑事フォイル』の最終回を本日昼食時にみた。なぜシリーズは終わるのか?欧州での第二次世界大戦がドイツの全面降伏で終結したからだ(1945年5月)。この数年の間で私にとっては最高のドラマだったので、もう少し戦争続けてくれ、という気分にさえなる。最終回で「戦争はみんな人を変える。あなただけは変わらなかったようだ」と言われてフォイルが瞬時だが、じっとその人を見返すシーンがあった。あの目の中にあったのは何だったのか。非難なのか、悲しみなのか、哀れみなのか、いや私だって変わったという心の合図だったのか。案外、自分への問いかけだったのかもしれない。名優は目でたくさんのことを語るな、とあらためて思った。

原題は『FOYL'S WAR』で、戦争の名のもとに許されてしまう犯罪に立ち向かう物語である。それが「フォイルの戦争」なのだ。時には犯人が分かっていながら上層部の圧力によって逮捕できないケースもあったし、フォイル警視正が絶望のあまり警察を辞めるという展開もあった。戦争は人や社会を変えてしまう。個人に犠牲を要求し、敵国の出身というだけで集団的に殺してしまうほどの憎悪が湧き起こる。戦争に行った夫と残された妻の間には溝ができる。親友や親子にも深刻な葛藤が生じる。第二次大戦が終結してから英国も日本も同じ年数を経ているのに、この描き方の違いはなぜなのか、と思う。

その録画の声が聞こえないほどジェット機が飛んでいる。数時間これが続いている。習志野演習場に向かうか、出て行くかしているのだろうが、いつになく長い。きな臭い状況が展開されていて、時の首相が好戦的な発言を繰り返しているので、イヤな気分である。トランプ米大統領は今、内政で追い詰められている。点数かせぎを目指して対外的にヘンな花火を上げたりしなければいいが。

その後、本の引越しをした。ドラマの最終部で田舎町の警察署が閉鎖され、フォイルが退職して去っていったように、わがテーブルのまん前の本棚にあった『魂について』関連のノートや本類は『メタピュシカ』(形而上学)関連のものに席を譲った。訳書は出隆の岩波文庫版(上)で、1968年刊なのですでに茶色く変色している。値段がまだ★で示されている時代のもの(4個っておいくら?)。旧全集版もあるが(訳は同じ…この偉大な書物の翻訳が日本には一つしかない。←間違い。コメント参照)、赤線を引いた本が慣れているので……。ノートも9冊から1冊になったので本棚はスカスカである。全集新版の『形而上学』よ、早よ来い。


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