ワシはベース弾きだが、だいたいのベース弾きがさうであるやうに、そもそもの最初はやはり「エレキ」に憧れた。
エレキと云へばエレキギターだ。
そしてエレキギターと云へば「レスポール」だった。
ストラトキャスターよりレスポールに憧れた。
ストラトにくっついてゐるあの謎のレバーが、どーやら音をうにゅうにゅさせる機械らしい、と知って興味を惹かれたが、やはりレスポールだ。
その頃、レスポールを操るギタリストの代表と云へば、KISSのエース・フレィリー(当時はフューレイとも記された)と、ピーター・フランプトン。
この二人はしかも、ピックアップが三つも付いてるレスポールを使ってゐた。
三つのピックアップがどぅ役に立つのか知らんがカッコいい。
青いレスポールなど持てたら最高にカッコいいと思ふ。
だが、前にも書いたやうに、ワシはソリッドなギターを持った姿がたいへん見苦しい。
何故かは分からんし、ナニカの呪いとしか思へぬのだが、似合わぬ。
ので、レスポールを所有した事は壱度もない。
好きだったがまるで手の届かない女性を、手に入れるよりはづっと憧れのままで見ておきたい、少年の真理に似てゐると思ふ。
ので、ワシの大嫌いな日本のあの男・・・ナニかとメディアに出て来て、もそもそと低い声で喋り、それがまた嫌で嫌で仕方ないのだが、世間はそれをシブいと云ったりカワイイと云ったりする、見ただけで詐欺師と分かるやうなあの男が、レスポールを抱えてる写真など見ると、憧れの女性が犯されたやうな印象を覚える。
まぁどーでも良いんだけどよ。
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